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2005年11月25日 (金)

「ホテル・ルワンダ」Hotel Rwanda 祝!日本公開決定

「ハリーポッター」は1週間、昨日ご紹介の「Mr.&Mrs.スミス」は公開まで日本公開まで半年でしたが、この「ホテル・ルワンダ」は1年以上(2006年新春第二弾映画としてシアター渋谷Nにて公開)、それも「ホテル・ルワンダ」日本公開を応援する会の活動によって、やっと公開にこぎ付けた作品(関係者の方の努力には頭がさがります)。「オーシャンズ11&12」で共演しているブラット・ピットとドン・チードルがそれぞれに主演していますが、“映画“の多様性、メディアの扱いの違いを比較するのも一興。

hotelrwanda1映画概略
フツ族・ツチ族部族対立問題を抱えるアフリカの小国ルワンダ(双方の部族には大きな身体的違いはない)。1994年に起きた大統領殺害事件に端を発し、人口の85%を占めるフツ族が15%のツチ族に対する大虐殺を開始。数ヶ月に渡る狂気の後には、80~100万人のツチ族の死体が残されていたという。

国中が狂気につつまれる中で、自身はフツ族でありながら、ツチ族の妻(ソフィー・オコネドー・この役でアカデミー賞助演女優賞ノミネート)を持つ外資系リゾート・ホテル(ゴリラを見に行くツアーが売り)の副支配人ポール・ルセサヴァキナ(ドン・チードル・この役でアカデミー賞主演男優賞ノミネート)はどう行動したのか?彼とその家族、そしてホテルに駆け込まざるを得なかった1200人ものツチ族の人々達にどんな運命が待っていたのか?

ポールの活躍は、第二次世界大戦中に多くのユダヤ人の命を救ったオスカー・シンドラーや、杉原千畝氏と比べられています。しかしこの映画が“良心的作品”だから皆、日本公開に動いたのでしょうか?いえ、この映画は“映画”として一級品だからこそ、人々を動かしたと考えます。

ポールの場合は、固い信念に基づいての行動というより、家族を守ろうとしてとった行動が、結果として大きな違いを生み出していきます(基本的には家族最優先)。狂気と混沌の支配する中で目的を果たす為に、ホテル内部においてはプロフェッショナルに仕事をこなす厳格な管理職、外に対しては時に汚い手も使う口八丁、手八丁のやり手であった点が、非常に人間的でリアリスティック。家族のことを思って始めた事が徐々に引くに引けない状態に、そして多くの人々の“命”に対して大きな意味を持つようになっていく、そんな様をシンプルかつテンポ良く描いています(監督も兼ねるテリー・ジョージとキアー・ピアーソンが、アカデミー賞脚本賞ノミネート)。

また真実の持つ重厚感を再現し、いつの瞬間に、主人公が、家族が、ホテルの人々が命を落としかねないその緊迫感は、劇場公開映画としても一級(=お金を払って見る意味あり)。脚本+チードル・オコネドーの演技がアカデミー賞にノミネートされたのは、伊達ではありません。私の個人的な2004年公開作品Top5にも入るパワフルな作品。

良い人だけれども、混乱時には無力な国連軍大佐を演じるニック・ノルティ、同じく現実の前にはなすすべもない優秀(そうな)ジャーナリスト・ホキアン・フェニックス、そしてポールとホテルの危機に現実的な手段で対応するベルギーのホテル本社の、その親会社サベラス航空社長を演じるジャン・レノの3人がホテル-外部世界/ルワンダ-西側世界の関係を象徴していて、それぞれ印象的。

ちなみに“世界の警官”アメリカはこの事態にどうしていたかというと、前年のソマリア派兵の失敗(映画「ブラック・ホーク・ダウン」に詳しい)から、介入を躊躇していました。映画の中では武器供給者として中国とフランスの名前があがっています(「ホテル・ルワンダ」はイギリス、南アフリカ、イタリアの共同制作)。

是非映画館で見て欲しい一本です。

「ホテル・ルワンダ」日本公開を応援する会
アメリカ公式サイト

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コメント

TBさせていただきました。
なんて簡潔にきちんと表現されているんでしょう。
私は、興奮しててうまく書けませんでした(いつもですが)
私もどんどん見てもらって、大きな映画館でやるまで勧めていくつもりです。

投稿: foo | 2006年1月 7日 (土) 12時09分

★fooさん、コメントありがとうございます。

すごく小さな作品ですが、見終わった後に猛烈に語りたくなる映画でしたね。是非日本でも成功して欲しいと思っています。

投稿: rambler | 2006年1月11日 (水) 12時21分

こんにちは!
私もやっと観てきました。
遠い国のことだから――と無関心でいることが、何よりも罪なことなんだと痛感しました。
でも、観て良かったです!!
そして出来れば、たくさんの人達にも観て、何かを感じてもらいたいです。

投稿: honu | 2006年2月19日 (日) 07時29分

★honuさん、コメントありがとうございます。

アメリカではどうやら大学の授業などでこの映画を見せているとの事。凄いですね。ほんと、少しでも多くの人に見て欲しい映画です。

投稿: rambler | 2006年2月23日 (木) 14時04分

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