フィリップ・シーモア・ホフマン、神領域入ってました、「カポーティ」
作家トルーマン・カポーティが、カンザスで起こった一家四人惨殺事件を題材に、犯罪ノンフィクションというジャンルを切り拓いた傑作「冷血」を書き上げるまでを重厚に描いた作品。ご存知のように本年度のアカデミー賞作品賞候補に上がっていますが、作品賞よりも主人公のカポーティを演じるフィリップ・シーモア・ホフマンが、主演男優賞候補の本命です。
作家というのはまあ変な人が多いのですが、この人は特別。文壇に若き天才として登場し、ニューヨークの社交界の花形に躍り出ながら(ウォーホールと並ぶトリックスター。名門「プラザ・ホテル」等でパーティ三昧。ちなみにゲイです)、行き詰まっていた1959年当時のカポーティ。傲慢かつ小心、冷静にして感情的、正直でいながら大嘘つき、しかし彼から紡ぎ出される言葉は人の心を揺り動かす。そんな複雑怪奇なカポーティの人間像をフィリップ・シーモア・ホフマンが表現しています。面白かったのはなんとなく「羊たちの沈黙」を思わせるところ。この場合怪物なのは犯人ではなく、聞き出す側。様々な映画(個人的には「あの頃、ペニーレインと」のロック評論家・レスターバングス役が大好き)で既に若き演技派の名声を手にしていたホフマンですが、今回のノミネートで40歳前(トム・クルーズより若い)にしてサー・アンソニー・ホプキンスの領域。
今回のアカデミー賞主演男優賞の最大のライバルであるヒース・レッジャー(ブロークバック・マウンテン)とは、ゲイの役柄対決ではありますが、頑張っているな~と思わせるレッジャーに対し、こちらは努力を感じさせないハイレベル。次回作はなんと「ミッション・インポッシブル3」で悪役を演じる訳ですが、年上のトム・クルーズ、危うし。ということは製作者としてのトム・クルーズがセンス抜群という事でもあるのですが。
幼馴染の作家ハーパー・リー(アラバマ物語)を演じるキャサリン・キーナー(「40歳の童貞」のヒロインと同一人物?)、惨殺事件のおきた街の警察官クリス・クーパー、そしてまんまとカポーティに巻き込まれて取材に協力する犯人・クリフトン・コリンズJrと皆、落ち着いた凄みを感じさせるのはやはり監督の技量か。日本公開は「M:I:III」より後の今年の秋だそうです。
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「カポーティ」Capoty
分野: ドラマ
米国公開日: 2005年9月30日(NY/LA限定)
米国版公式サイト
米国流通会社: Sony Pictures Classics
日本公開日: 2006年秋
主演: Philip Seymour Hoffman, Catherine Keener, Clifton Collins Jr, Chris Cooper, Bruce Greenwood
監督: Bennett Miller
製作: Joshua Newman, Philip Seymour Hoffman, Kerry Rock
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