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2006年2月22日 (水)

フィリップ・シーモア・ホフマン、神領域入ってました、「カポーティ」

capote作家トルーマン・カポーティが、カンザスで起こった一家四人惨殺事件を題材に、犯罪ノンフィクションというジャンルを切り拓いた傑作「冷血」を書き上げるまでを重厚に描いた作品。ご存知のように本年度のアカデミー賞作品賞候補に上がっていますが、作品賞よりも主人公のカポーティを演じるフィリップ・シーモア・ホフマンが、主演男優賞候補の本命です。

作家というのはまあ変な人が多いのですが、この人は特別。文壇に若き天才として登場し、ニューヨークの社交界の花形に躍り出ながら(ウォーホールと並ぶトリックスター。名門「プラザ・ホテル」等でパーティ三昧。ちなみにゲイです)、行き詰まっていた1959年当時のカポーティ。傲慢かつ小心、冷静にして感情的、正直でいながら大嘘つき、しかし彼から紡ぎ出される言葉は人の心を揺り動かす。そんな複雑怪奇なカポーティの人間像をフィリップ・シーモア・ホフマンが表現しています。面白かったのはなんとなく「羊たちの沈黙」を思わせるところ。この場合怪物なのは犯人ではなく、聞き出す側。様々な映画(個人的には「あの頃、ペニーレインと」のロック評論家・レスターバングス役が大好き)で既に若き演技派の名声を手にしていたホフマンですが、今回のノミネートで40歳前(トム・クルーズより若い)にしてサー・アンソニー・ホプキンスの領域。

今回のアカデミー賞主演男優賞の最大のライバルであるヒース・レッジャー(ブロークバック・マウンテン)とは、ゲイの役柄対決ではありますが、頑張っているな~と思わせるレッジャーに対し、こちらは努力を感じさせないハイレベル。次回作はなんと「ミッション・インポッシブル3」で悪役を演じる訳ですが、年上のトム・クルーズ、危うし。ということは製作者としてのトム・クルーズがセンス抜群という事でもあるのですが。

幼馴染の作家ハーパー・リー(アラバマ物語)を演じるキャサリン・キーナー(「40歳の童貞」のヒロインと同一人物?)、惨殺事件のおきた街の警察官クリス・クーパー、そしてまんまとカポーティに巻き込まれて取材に協力する犯人・クリフトン・コリンズJrと皆、落ち着いた凄みを感じさせるのはやはり監督の技量か。日本公開は「M:I:III」より後の今年の秋だそうです。

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「カポーティ」Capoty
分野: ドラマ
米国公開日: 2005年9月30日(NY/LA限定)
米国版公式サイト
米国流通会社: Sony Pictures Classics
日本公開日: 2006年秋
主演: Philip Seymour Hoffman, Catherine Keener, Clifton Collins Jr, Chris Cooper, Bruce Greenwood
監督: Bennett Miller
製作: Joshua Newman, Philip Seymour Hoffman, Kerry Rock

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» カポーティ [Long after Midnight - とうに夜半を過ぎて]
個人的な2006年注目映画のひとつ、『カポーティ』。日本公開はなんと秋まで待たされるそうである。つ、つまらん。 私はアメリカのミステリやホラーはよく読むが、いわゆる純文学というか文芸作品は苦手で、カポーティとテネシー・ウィリアムズくらいしか読まない。ウィリアムズは劇作家だから小説家として好んで読んだのはカポーティだけだ。 ... [続きを読む]

受信: 2006年2月26日 (日) 11時55分

» 『カポーティ』 [ラムの大通り]
----これってフィリップ・シーモア・ホフマンが 賞を総ナメにした映画だよね。 カポーティ本人そっくりって話題になっているけど? 「そうらしいね。 でも本当に似ているかどうかなんて ぼくたちには分からないよね。 そのことはともかくとして、 オスカーが全部ソックリさん大会になってしまったら、 それはそれで、ちょっと問題だと思う」 ----おや、少し辛口だニャ? 「ただね、 この映画は良きにつれ悪しきにつれ �... [続きを読む]

受信: 2006年7月18日 (火) 16時42分

» カポーティ・・・・・評価額1400円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
1959年のある日。 カンザス州の小さな町で、裕福な農家の一家四人が何者かによって惨殺されるという事件が起こる。 この事件を報じる新聞記事に、ふと目を止めた作家が一人。 彼の名は、トルーマン・カポーティ。 映画フ... [続きを読む]

受信: 2006年11月 5日 (日) 00時58分

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