« スパルタ軍、新作群を寄せ付けず。3月16日~18日付北米興行収入順位 | トップページ | 3月総合案内 »

2007年3月25日 (日)

愛すべき小品「ホリデイ」

Theholiday_220 日本では本日から公開のラブコメ(アメリカでは、通称ロマンチック・コメディ)映画。色々穴もあって傑作とは言えないけれど、これはこれで愛すべき小品。核となる4人のキャラクターがたっていて+映画ファンの心をくすぐるおまけ付きで楽しめる作品です。

 長年思い続けた職場恋愛の元カレの婚約発表でぼろぼろのロンドンの新聞の結婚欄担当記者アイリス(ケイト・ウィンスレット)、ロスアンゼルスで映画予告編製作会社社長を務めるワーカホリックのアマンダ(キャメロン・ディアス)は同居中の彼氏の浮気発覚でブチキレ中。インターネットのホーム・エクスチェンジ・プログラム(ホリデイ等の間にお互いの家を交換滞在する)を利用して、気分を切り替えるためにお互いの家でクリスマス~年末の2週間のホリデイを過ごすことになった二人の前に、それぞれグラハム(ジュード・ロウ)、マイルズ(ジャック・ブラック)という男性が現れます。

 クリスマス・ムード一杯の雪のロンドン郊外の街と質素な小さな家、地元のパブVS真っ青な空のLAとビバリーヒルズの豪邸とゴージャスなレストラン。ロンドン・キャリア・ウーマンにハリウッド業界人男性の組み合わせVSカリフォルニア・キャリア・ウーマンにイギリスの酔っ払い男性。様々な文化の違いをスパイスに、そこから生み出される笑いを盛り込みながら二組のカップルの物語が進んで行きます。クリスマスのイギリスの描写は「ラブ・アクチュアリー」を思わせ、アメリカVSイギリスの文化の違いが背景にあるところは「ノッティング・ヒル」を思いだすという”ワークング・タイトル(両作の製作会社)系ラブ・コメを、さらにプラスしてふんだんに映画の引用が飛び出すところは「恋人たちの時間」「めぐり逢えたら」「ユーガッタメイル」のノーラ・エフロン脚本系のラブ・コメを思い出させてくれて、その意味ではラブコメ界の王道的作品です。

 「イン・ハー・シューズ」のような軽さにシリアスを盛り込んで演技派へ脱皮中のキャメロン・ディアスですが、ここでは本来の持ち味であるコメディセンスを発揮して面目躍如。「キングコング」で見せたようにまじめな役柄の中に本来の持ち味であるコメディの要素を持ち込んで芸域の広さを見せるジャック・ブラックもさすが。しかし今回の見所は普段はシリアスな演技を得意とするジュード・ロウとケイト・ウィスレットの英国勢のコメディ演技。日本公開は逆になりましたが「オール・ザ・キングス・メン」というシリアスな政治ドラマで共演し、更に「リトル・チルドレン」の公開が控えるケイト・ウィンスレット(この作品で31歳にして5度目のアカデミー賞ノミネート)と、「壊れゆく世界の中で」の公開が控えるジュード・ロウという、”まじめな”役者をコミカルに使うことで映画としての面白みを生んでいます。

Eriw そしておまけは映画ファンへ向けての小技の数々。売れっ子(監督もこなす)のエドワード・バーンズをもったいない役で使っているほか、思わぬ大物&売れっ子のカメオ出演があります。しかし何といっても今年末で92歳のイーライ・ウォーラック。「荒野の7人」の盗賊のボスとしてユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、チャールス・ブロンソン、ジェームス・コバーンと対決し、「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」ではクリント・イーストウッド、リー・バン・クリーフと三つ巴の黄金争奪戦を行った名脇役。「ゴッドファーザー・Part III」で最後に毒殺されるマフィアの老ボスを演じていましたが、あれすら16年前。まさかこの2007年に矍鑠(かくしゃく)とした姿が見れるとは。個人的にはこれだけで十分満足(DVDを買ってしまいました)。

 イギリス側の出会いと結びつきが唐突だったり(女性が見知らぬ土地で一人でいて、夜中に酔っ払い男を家に入れるでしょうか?それがジュード・ロウだったとしても・笑)、子供の使い方がずるかったり(可愛いだけに反則)色々と突っ込みたくもなりますが、この4人がどたばたしているのを眺めているだけで楽しい作品。ホリデイ気分一杯の作品なので、日本でこの時期に見るのはちょっと?ではありますが、機会があれば是非。

Goodbadugly40年前のウォーラック。拳銃を突きつけているのは勿論”巨匠”クリント・イーストウッド。

人気blogランキング参加中。 banner_02

|

« スパルタ軍、新作群を寄せ付けず。3月16日~18日付北米興行収入順位 | トップページ | 3月総合案内 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 愛すべき小品「ホリデイ」:

» 『ホリデイ』 [試写会帰りに]
恋愛に破れた見ず知らずの女性2人が、今の男を忘れる為にと互いの住環境を交換してみたら、そこには新しい出会いがあった。という少女漫画のようなストーリー。 でも主演がキャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、ジャック・ブラックですから、少女..... [続きを読む]

受信: 2007年4月 3日 (火) 07時57分

» ホリデイ(試写会) [カリスマ映画論]
【映画的カリスマ指数】★★★★☆  あたしを変える、運命のホリデイ   [続きを読む]

受信: 2007年4月 3日 (火) 08時17分

» 「ホリデイ」を観る [紫@試写会マニア]
主役が4人も!という豪華なキャストが宣伝だけでも期待をさせる「ホリデイ」を観てきました。その4人とは、 キャメロン・ディアス、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット、ジャック・ブラック。 ええ?ジャック・ブラックぅ?・・・じゃあお笑い?少なくとも彼はお笑いキャラ? ・・・nonnon、彼も素敵なナイスガイの役ですよ! あの「恋愛適齢期」のナンシー・メイヤーズ作品と聞いていて、「きっと本格的な恋愛映画で、ほんわかな気分になるに違いな~い♪」と、期待した通り、ちょっと泣けて、ちょっと微笑まし... [続きを読む]

受信: 2007年4月 3日 (火) 12時05分

» 【劇場映画】 ホリデイ [ナマケモノの穴]
≪ストーリー≫ 傷ついた心を癒すため、見知らぬ土地に旅立つ事を衝動的に決心したアマンダとアイリス。ネットを通じて知り合った二人は、ロスとロンドン近郊にあるお互いの家を2週間だけ交換する事に。こうしてロスからロンドンにやってきたアマンダは、同棲していた恋人と手ひどい別れをしたばかり。一方のアイリスは、片思いしていた同僚の婚約発表により失恋…。新しい土地で彼女たちを待っていたのは、美しい家と思い掛けない出会いだった。(goo映画より) なんだか心がホッと温かくなるような良い映画だった。 特に主... [続きを読む]

受信: 2007年4月 4日 (水) 19時16分

» ホリデイ☆独り言 [黒猫のうたた寝]
友人の評価が結構よかった『ホリデイ』シネコンのポイントが貯まっていたのでレディースディをはずして優雅に鑑賞してきました(笑)やっぱり空いているほうが浸れるなぁ~(爆)ほんとは座席指定なんだけど、本編始まるギリギリで入ったら別の人が猫の指定席に座ってるの^... [続きを読む]

受信: 2007年4月 4日 (水) 23時06分

» 「ホリディ」このくらい思い切れたら、夢も見れるかも。 [soramove]
「ホリディ」★★★★オススメ ケイト・ウインスレット、キャメロン・ディアズ、ジュード・ロウ主演 ナンシー・マイヤーズ監督、2006年アメリカ 恋に破れた30代女性が クリスマスホリディに住居を交換して ふっ切れない現状を変えようと、 イギリスの田舎とロサ...... [続きを読む]

受信: 2007年4月 8日 (日) 08時49分

» 「ホリデイ」 [やまたくの音吐朗々Diary]
公開中の映画「ホリデイ」を観賞。監督はナンシー・メイヤーズ。出演はキャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、ジャック・ブラックほか。アメリカとイギリスに暮らす2人の女性(知らない者同士)が、クリスマス休暇のあいだだけお互いの家を交換する“ホ... [続きを読む]

受信: 2007年4月20日 (金) 23時51分

» ホリデイ−(映画:2007年50本目)− [デコ親父はいつも減量中]
監督:ナンシー・マイヤーズ 出演:キャメロン・ディアス,ケイト・ウィンスレット,ジュード・ロウ,ジャック・ブラック,イーライ・ウォラック,エドワード・バーンズ 評価:90点 公式サイト (ネタバレあります) 豪華な出演者達をそつなく使いこなすために....... [続きを読む]

受信: 2007年4月22日 (日) 20時30分

« スパルタ軍、新作群を寄せ付けず。3月16日~18日付北米興行収入順位 | トップページ | 3月総合案内 »