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2009年3月28日 (土)

歯ごたえ満点の2時間43分「ウォッチメン」

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 ヴェトナム戦争でアメリカが勝ち、ニクソン大統領が3選を果たしているパラレルワールドの1985年。ソ連のアフガニスタン侵攻で核戦争の危機が現実化しつつある中、ニューヨークで一人の男が殺される。男の名前はエドワード・ブレイク、またの名を“コメディアン”。ウォッチメンと呼ばれるヒーローグループの一人であった。彼の死の背後には何があるのか、そして何が動き出したのか。これは「ヒーロー狩り」の一環ではと考えたトレンチコートに帽子、そして顔に変化する模様が浮かび上がるコバックス、又の名をロールシャッハはウォッチメンのメンバー、隠遁中のナイトオウルII、政府機関で働くドクター・マンハッタン(最も神に近い男?)と彼と暮らす女性シルク・スペクターII、引退して億万長者となったオジマンディアスを訪ね真相を追います。

昨年末の新聞記事(朝日)で2008年の映画界の回顧として「ハリウッド映画は安易なコミックの映画化や、続編、リメークの乱発で衰退している」との論調がありました。続編連発、リメークに関してはある程度理解できることもないのですが、コミックの映画化に関しては大いに反論あり。論者は多分昨年の「ダークナイト」「アイアンマン」は見ず、「ウォッチメン」もお子様ランチだと思って手をつけていないのでしょうね(きっと「ドラゴンボール・エヴォリューション」だけ見るでは?)。この「ウォッチメン」を昨今のアメコミ原作映画の進化は恐るべきものがあります。なんともったいない。

 「ウォッチメン」については、原作未読でその存在だけは知っていましたが、ヒーローが介在してちょっとだけ変って(狂って?)しまった世界の中で展開するそのハードボイルドな世界は監督ザックスナイダーの前作「300」よりも、どちらかというと「シン・シティ」に近い感覚。とにかく映像の中に注ぎ込まれた政治、哲学、道徳、心理学、サブカルチャー等の情報量が半端ではなく、また映画全体が巨大なロールシャッハ・テストになっているという罠。ちょっと気を抜くと振り落とされます。このあたりが熱狂的なマニアを生み出す原動力なのでしょう。歯ごたえ満点の2時間43分です。

・ロールシャッハ・テスト:インクの染みを「どのように見えるか」によって分類する人格検査。主に精神障害の診断に用いられる。
・監督によれば「映像で原作世界の再現にお金を使い切っちゃって無名の役者しか使えなかったそうですが(笑)、やはりジャッキー・アール・ヘイリーがさすが。面白いのは彼がアカデミー賞にノミネートされた「リトルチルドレン」でケイト・ウィンズレットと大胆な(浮気)ベットシーンをしていたパトリック・ウィルソンがここでも大胆に(笑)。「リトルチルドレン」でそのウィルソンの妻を演じていたジェニファー・コネリーと「Walking the Dead(ゾンビ映画ではありません)」で大胆なラブシーンをしていたビリー・クダラップが同じチーム。仲間割れしそう?

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2009年3月27日 (金)

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」

 「指輪物語」は遠く伝説となり*、「ナルニア国」も失墜し**、「エラゴン」も「ライラ」も続く事は出来なかった今、ファンタジー界の最大のシリーズにして最後の砦はやはり「ハリーポッター」。最終章7作「死の秘法」***へ向けていよいよ最高潮へ。お馴染み英国最強演技陣+監督は「フェニックス」と同じデビット・イエーツ。日本公開は7月17日。最新の予告編は”続き”に。

* ピータージャクソン復帰で「ホビット」は順調に製作が進んでいるようですが。
** 第二作の興行がいまいち&金融危機でディズニーが手を引き、続編ピンチ。FOX製作に引き継がれて製作の見込みですが。
***最終章は全編・後編に別れ前作は2010年11月、後編は2011年5月公開予定。

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2009年3月21日 (土)

4月のTop Page

ようこそ「のんびり亭映画情報」へ。
ここではアメリカを中心とした最新の情報と作品のレヴューをのんびりまったりお届け致します。

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Public_enemies480これから公開の話題作先取り紹介
アメリカの闇「消されたヘッドライン」
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」
タランティーノの新作「イングロリアス・バスターズ/Inglourious Basterds (原題)」
デップ!ベール!&マン!「パブリック・エネミー」
「Night at the Museum 2: Battle of the Smithsonian/ナイト・ミュージアム2/バトル・オブ・ザ・スミソニアン」
X-MEN ORIGINS第一弾は「ウルヴァリン」
ヴィン・ディーゼルが帰ってくる「ワイルド・スピード4/FAST AND THE FURIOUS」
ピクサーの2009年新作「UP」 ポスター&予告編追加
ターミネーター4/'Terminator: Salvation' ポスター&新予告編追加
鉄腕アトム(ハリウッド版3Dアニメ)ポスター追加
ケイト・ウィンスレット新作
 「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」&「愛をよむひと(The Reader)」

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アカデミー賞&ラジー賞関連
第81回アカデミー賞予想&結果発表
ゴールデン・ラズベリー賞(RAZZI AWARDS)予想・結果

レビュー
歯ごたえ満点の2時間43分「ウォッチメン」
デビット・フィンチャーの新領域「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」
底抜けに楽しいミュージカル映画『マンマ・ミーア!』

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ニュース
ナターシャ・リチャードソン 1963-2009


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2009年3月20日 (金)

ナターシャ・リチャードソン 1963-2009


スキー場での転倒が元で死去。享年45歳。

 偉大なるバネッサ・レッドグレイブの娘にしてリアム・ニーソンの妻。2児の母。ブロードウェイの「キャバレー(サム・メンデス演出のリバイバル版)でトニー賞を受賞していますが、映画のキャリアは母の如くこれからだったのではないかと惜しまれます。「ネル」が代表作じゃちょっともったいないし、「メイド・イン・マンハッタン」の悪役じゃちょっと悲しい。

 夫のリアム・ニーソンは「ラブ・アクチュアリー」で小さな息子を残し妻に先立たれた役をやっていましたがまさか現実になってしまうとは(クラウディア・シェーファーは現れるのでしょうか)。

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2009年3月17日 (火)

タランティーノの新作「イングロリアス・バスターズ/Inglourious Basterds (原題)」

 「グラインドハウス(日本ではロドリゲスの「プラネットテラー」とタランティーノの「デス・プルーフ」の2本に分割公開)」以来のクエンティン・タランティーノの新作はヒトラーの首を狙う複数グループの話が交錯するという戦争映画「イングロリアス・バスターズ(不名誉なろくでなし無し野郎共の意味・原題)」。ダーク・シュナイダーは出てきません。

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 「キル・ビル」の頃からこの作品の脚本に取り組んでいるのは知られていましたが、昨年来突如として浮上し、一気に撮ってカンヌで見せてアメリカでは8月公開。ちゃんと間に合うのか?とは心配になりますが、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」が素晴らしかったブラット・ピットとタラちゃんの顔合わせも楽しみな一本。唯一の誤算は「ワルキューレ」、「愛を読む人」など等のこの所のナチスブーム!?

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2009年3月16日 (月)

デップ!ベール!&マン!「パブリック・エネミー」

Public_enemies480 大恐慌期のアメリカで銀行を次から次へと襲いその名をはせた実在のアウトロー・ジョン・デリンジャーをジョニー・デップが、そしてそれを執拗に追うFBI捜査官パービスをクリスチャン・ベールが演じるという今が旬な役者が演じ、それを「インサイダー」「ヒート」「マイアミバイス」のマイケル・マンが監督するという“夢の顔合わせ”映画がこの「パブリック・エネミー(民衆の敵達=デリンジャー達の仇名)」。

 昔、昔、このデリンジャーとパービスをウォーレン・オーツとベン・ジョンソン(共に「ワイルドバンチ」のメンバー)が演じ、ジョン・ミリアスが監督するという“男臭い”映画がありましたが(B級だけどぴりりとした逸品)*、あの作品を越えることが出来るでしょうか。デップは「(海賊に続いて)この時代のギャングも一種のロックスターみたいなもの」と発言しているようですが。

 アメリカ公開は7月1日ですが日本公開は年末とか・・・(ブルーレイがでちゃうよ)。

*脇役で「ジョーズ」以前、「アメリカングラフィティ」と同じ頃のリチャード・ドレイファスが出てました。

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2009年3月 8日 (日)

デビット・フィンチャーの新領域「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」

Curious_case_of_benjamin_button480 デビット・フィンチャー監督による静謐な人生ドラマ。80歳の赤ん坊として生まれ若返って行く男(ベンジャミン・バトン=ブラット・ピット)と幼馴染(デイジー=ケイト・ブランシェット)*の70年に渡るロマンスを縦軸に、そこに関る人々の人生が様々な形で交錯します。「世にも不思議な物語」の体裁をとりながらどんな人生にも出会い、別れ、四季があり、折り重なり合って交錯し、そしてはかなく消え去って往く様を淡々と描きます。

 監督のデビット・フィンチャーは、「エイリアン3」で長編デビュー後、ブラピと組んだ「セブン」「ファイトクラブ」で刺激の強い“映像技巧派の若きエース”ポジションを確立した人ですが、個人的にはどうも馴染めずにいました(「ゲーム」「パニック・ルーム」は悪いほうに“技巧”がこけた作品かと思っています)。

 しかし前作「ゾディアック」あたりからその映像技巧を一歩引かせて、“物語”を紡ぐ事に全力を注いでいるように進化し、今回はかつての”技巧的映像サスペンス職人”から“映画作家”としての成長と円熟が感じ取れる新領域に突入しています。勿論しわくちゃの老人が若返るゴシックホラー的な味付け**は彼ならではのテイスト。また全編を通じての光と影の使い方の巧みさは改めてこの作家の実力を知らしめてくれます。

 今年のアカデミー賞で13部門にノミネートされながら「スラムドック$ミリオネア」に主要部門で破れ美術、メーキャップ、視覚の3技術部門受賞に留まりましたが、作品自体の持つ“静かなパワー”が強い印象を鑑賞後の心に残す作品です。

*これが3度目と成るフィンチャー&ブラット・ピットの顔合わせ。「バベル」で倦怠期の夫婦を演じていたブラピ&ブランシェットの本格的な組み合わせ、その「バベル」夫婦の娘を演じていたエル・ファニングがブランシェットの子供時代を演じ、またかつて「レジェンド・オブ・フォール」でブラピの相手を務めたジュリア・オーモンドがブラピ&ブランシェットの○○○を演じる妙。“ガラドリエル”ブランシェットと“白の女王”ティルダ・スウィントン(ブラピとは「バーン・アフター・リーディングでも競演」)という印象の似た二人の女性を主人公の人生の重要な恋愛相手に起用する等、ハリウッドワールドもまた“出会いと別れ”、そして輪廻転生の世界?

**フィッツジェラルドの原作の舞台はボルティモアですが、映画はニューオリンズ。ブラピも出ている「インタビュー・ウィズ・バンパイア」や、「スケルトン・キー」等の南部ゴシック譚の色が強く出ておどろおどろしい印象を生み出しています。

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