歯ごたえ満点の2時間43分「ウォッチメン」
ヴェトナム戦争でアメリカが勝ち、ニクソン大統領が3選を果たしているパラレルワールドの1985年。ソ連のアフガニスタン侵攻で核戦争の危機が現実化しつつある中、ニューヨークで一人の男が殺される。男の名前はエドワード・ブレイク、またの名を“コメディアン”。ウォッチメンと呼ばれるヒーローグループの一人であった。彼の死の背後には何があるのか、そして何が動き出したのか。これは「ヒーロー狩り」の一環ではと考えたトレンチコートに帽子、そして顔に変化する模様が浮かび上がるコバックス、又の名をロールシャッハはウォッチメンのメンバー、隠遁中のナイトオウルII、政府機関で働くドクター・マンハッタン(最も神に近い男?)と彼と暮らす女性シルク・スペクターII、引退して億万長者となったオジマンディアスを訪ね真相を追います。
昨年末の新聞記事(朝日)で2008年の映画界の回顧として「ハリウッド映画は安易なコミックの映画化や、続編、リメークの乱発で衰退している」との論調がありました。続編連発、リメークに関してはある程度理解できることもないのですが、コミックの映画化に関しては大いに反論あり。論者は多分昨年の「ダークナイト」「アイアンマン」は見ず、「ウォッチメン」もお子様ランチだと思って手をつけていないのでしょうね(きっと「ドラゴンボール・エヴォリューション」だけ見るでは?)。この「ウォッチメン」を昨今のアメコミ原作映画の進化は恐るべきものがあります。なんともったいない。
「ウォッチメン」については、原作未読でその存在だけは知っていましたが、ヒーローが介在してちょっとだけ変って(狂って?)しまった世界の中で展開するそのハードボイルドな世界は監督ザックスナイダーの前作「300」よりも、どちらかというと「シン・シティ」に近い感覚。とにかく映像の中に注ぎ込まれた政治、哲学、道徳、心理学、サブカルチャー等の情報量が半端ではなく、また映画全体が巨大なロールシャッハ・テストになっているという罠。ちょっと気を抜くと振り落とされます。このあたりが熱狂的なマニアを生み出す原動力なのでしょう。歯ごたえ満点の2時間43分です。
・ロールシャッハ・テスト:インクの染みを「どのように見えるか」によって分類する人格検査。主に精神障害の診断に用いられる。
・監督によれば「映像で原作世界の再現にお金を使い切っちゃって無名の役者しか使えなかったそうですが(笑)、やはりジャッキー・アール・ヘイリーがさすが。面白いのは彼がアカデミー賞にノミネートされた「リトルチルドレン」でケイト・ウィンズレットと大胆な(浮気)ベットシーンをしていたパトリック・ウィルソンがここでも大胆に(笑)。「リトルチルドレン」でそのウィルソンの妻を演じていたジェニファー・コネリーと「Walking the Dead(ゾンビ映画ではありません)」で大胆なラブシーンをしていたビリー・クダラップが同じチーム。仲間割れしそう?
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