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2013年1月13日 (日)

アカデミー賞の本命へ「Lincoln/リンカーン」

Lincoln アメリカの大統領史上、今でも最も愛されてるのは第16代大統領・エイブラハム・リンカーン。そのリンカーン”をスピルバーグが監督するとすれば、“王道伝記映画”、もしくは「プライベイト・ライアン」のような凄絶な南北戦争映画を想像すると思いますが、この映画にそれを期待するとそれは肩透かし。ピューリツアー受賞作家Doris Kearns Goodwinの"Team of Rivals: The Political Genius of Abraham Lincoln"という小説を原作にしたこの作品は政治家としてのリンカーンがどうやって奴隷解放を実現していったかを描く政治劇です。「アメリカ合衆国憲法修正第13条」の可否をめぐっての虚虚実実の駆け引きを中心にリンカーン最後の4ヶ月間を派手な映像もアクションは抑え目にしながら、淡々と描いています。

 会話主体の映画らしく、アカデミー賞の助演賞候補に選ばれたサリー・フィールド(リンカーン夫人)、トミー・リー・ジョーンズ (法案の行方を握る有力議員サディアス・スティーヴンス)に加えてデヴィッド・ストラザーン (ウィリアム・スワード国務長官)、ジャッキー・アール・ヘイリー、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、ジョン・ホークスという豪華キャストがそれぞれ実力を発揮していますが、しかし何と言ってもこの映画の最大の見せ場はダニエル・デイ・ルイス=リンカーン。ひとたび彼が言葉を発すれば大物政治家らしい説得力、自信、忍耐力、意志の強さが噴出します。映画後半になると彼がしゃべる出すのを待ち構えていた程。圧巻。今年もアカデミー賞主演男優賞の大本命です。

作品自体も余りに落ち着いていて、刺激的な「ゼロ・ダーク・サーティ」や「アルゴ」、「レ・ミゼラブル」に比べて地味な感じは否めませんが、“リンカーンがそこにいたから、(オバマ大統領が誕生する)今のアメリカが存在している”という強烈なメッセージと、大統領選挙(昨年11月)、映画の公開(11月)、そしてオバマ大統領就任式(1月20日)という現実とが絶妙なリンクしあって作品賞候補としても本命に浮上してきました。2月24日の発表が楽しみです。

「Lincoln/リンカーン」
北米公開2012年11月16日:米国公式サイト
日本公開2013年4月19日:日本公式サイト
監督:スティーブン・スピルバーグ
主な出演者
Daniel Day-Lewis ... Abraham Lincoln
Sally Field ... Mary Todd Lincoln
David Strathairn ... William Seward
Joseph Gordon-Levitt Robert Lincoln
James Spader ... W.N. Bilbo
Hal Holbrook ... Preston Blair
Tommy Lee Jones Thaddeus Stevens
John Hawkes ... Robert Latham
Jackie Earle Haley Alexander Stephens

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