2009年6月 3日 (水)

天使と悪魔/ANGELS & DEMONS

Angels_and_demons_ver2 ダン・ブラウン原作、ロン・ハワードが監督しトム・ハンクスがハーバード大教授ロバート・ラングドンを演じるという「ダ・ヴィンチ・コード」の第二弾(こちらの方が劇中年代も書かれたのも「ダ・ヴィンチ・コード」より先ですが)。

 法王の死去に伴う後継者選定儀式(コンクラーベ)が行われる中、誘拐された有力時期法王候補者達と盗まれた“反物質”を利用した恐るべきテロ予告。ちらつく秘密結社「イルミナティ」の影。仇敵ヴァチカンから事件解決に召還されたラングドン教授は誘拐された四人の候補者とヴァチカン自体を救えるのか?

 原作を可能な限り再現しようとして自爆した(笑・そんなひどい出来ではなかったのですが)「ダ・ヴィンチ・コード」に比べてストーリーを“追いかけっこ”に絞り込んだ脚本の勝利ではるかにこちらの方がエンタテイメント。ジャックバウアーかジェイソン・ボーンかという勢いで中年大学教授が美しいヴァチカンを駆け回り、上映時間が過ぎ去ります。

 しかし刈り込んでしまった分だけ歴史ロマンの深みと天使と悪魔、宗教と科学、物質と反物質、カソリック教会とイルミナティに代表される相対するものとその調和といった味付け*もきれいさっぱりなくなってしまった感あり。よって説明不足でそりゃないだろの突っ込み所多数。まあ立派なサマーシーズン娯楽作品に仕上がっているので、それはないものねだりなのかも知れませんが。

*この対立の妙を見るならば同じロンハワードの「フロスト/ニクソン」を是非。

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2009年4月26日 (日)

アメリカの闇「消されたヘッドライン」

 日本ではあまり良く知られていませんが、実はアメリカの首都・ワシントンDCはけっこう危ない街。巨大な公園のようなこの街は人気のないエリアも多くスラム街も存在します。ひと気のない街で夜中に殺されても単なる強盗で片付けられてしまうでしょう。またニューヨークとは違ったストレスが多いこの街で誰かが線路に飛び込んでも、また突き落とされたとしても単にアンラッキーと片付けられてしまいかねません。TVで3分、もしくは新聞の片隅の小さな記事となってそして3日もたてば忘れ去られてしまう、悲しいけれどそれが現実です。しかもその単純に見える事件の背後に巨大な闇が動いているのだとしたら?

 警察は忙しすぎて機能せず、ニューヨークのようにスパイダーマンやデアデビルといったヒーロー達が助けてくれない現状の中で誰が助けてくれるのか?他のメディアに押され利益が上がらずぼろぼろになって巨大なメディアグループ傘下に堕ちているアメリカの新聞社に頼る事は出来るのでしょうか。
 
確かにワシントンDCの新聞社「ワシントングローブ社」**のカル・マカフレイの様な掟破り、型破りな古豪型の敏腕記者も存在しますがこのタイプは恐竜と同じで今や絶滅寸前。同社でブログを駆使して活躍するデラ・フレイ記者は優秀ですがまだまだひよっこ。だとすれば頼りになるのは結局自分自身。一人一人がインターネットに代表されるメディアを駆使して自ら市民ジャーナリストとなってこの闇と戦って行くしかないのでしょう。

以下は続きに

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2009年3月28日 (土)

歯ごたえ満点の2時間43分「ウォッチメン」

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 ヴェトナム戦争でアメリカが勝ち、ニクソン大統領が3選を果たしているパラレルワールドの1985年。ソ連のアフガニスタン侵攻で核戦争の危機が現実化しつつある中、ニューヨークで一人の男が殺される。男の名前はエドワード・ブレイク、またの名を“コメディアン”。ウォッチメンと呼ばれるヒーローグループの一人であった。彼の死の背後には何があるのか、そして何が動き出したのか。これは「ヒーロー狩り」の一環ではと考えたトレンチコートに帽子、そして顔に変化する模様が浮かび上がるコバックス、又の名をロールシャッハはウォッチメンのメンバー、隠遁中のナイトオウルII、政府機関で働くドクター・マンハッタン(最も神に近い男?)と彼と暮らす女性シルク・スペクターII、引退して億万長者となったオジマンディアスを訪ね真相を追います。

昨年末の新聞記事(朝日)で2008年の映画界の回顧として「ハリウッド映画は安易なコミックの映画化や、続編、リメークの乱発で衰退している」との論調がありました。続編連発、リメークに関してはある程度理解できることもないのですが、コミックの映画化に関しては大いに反論あり。論者は多分昨年の「ダークナイト」「アイアンマン」は見ず、「ウォッチメン」もお子様ランチだと思って手をつけていないのでしょうね(きっと「ドラゴンボール・エヴォリューション」だけ見るでは?)。この「ウォッチメン」を昨今のアメコミ原作映画の進化は恐るべきものがあります。なんともったいない。

 「ウォッチメン」については、原作未読でその存在だけは知っていましたが、ヒーローが介在してちょっとだけ変って(狂って?)しまった世界の中で展開するそのハードボイルドな世界は監督ザックスナイダーの前作「300」よりも、どちらかというと「シン・シティ」に近い感覚。とにかく映像の中に注ぎ込まれた政治、哲学、道徳、心理学、サブカルチャー等の情報量が半端ではなく、また映画全体が巨大なロールシャッハ・テストになっているという罠。ちょっと気を抜くと振り落とされます。このあたりが熱狂的なマニアを生み出す原動力なのでしょう。歯ごたえ満点の2時間43分です。

・ロールシャッハ・テスト:インクの染みを「どのように見えるか」によって分類する人格検査。主に精神障害の診断に用いられる。
・監督によれば「映像で原作世界の再現にお金を使い切っちゃって無名の役者しか使えなかったそうですが(笑)、やはりジャッキー・アール・ヘイリーがさすが。面白いのは彼がアカデミー賞にノミネートされた「リトルチルドレン」でケイト・ウィンズレットと大胆な(浮気)ベットシーンをしていたパトリック・ウィルソンがここでも大胆に(笑)。「リトルチルドレン」でそのウィルソンの妻を演じていたジェニファー・コネリーと「Walking the Dead(ゾンビ映画ではありません)」で大胆なラブシーンをしていたビリー・クダラップが同じチーム。仲間割れしそう?

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2009年1月25日 (日)

お腹一杯、「007/慰めの報酬」

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 ソニーがスポンサーになって(!)、新装開店した”007”シリーズの第二弾は前作を凌ぐアクションのてんこ盛り。

 アクション・シーンでは暗めの画面の中細かなカットを積み重ね、闘っている人(車)にカメラが密着して動きまくりリアリティを出すやり方(暗くて細部が見えない、カメラ酔いしかねない)で、「ボーン」シリーズの影響下にある*のは明らかですが、本家の意地を見せて21世紀型アクションの最高峰を見せてくれます。個人的には、復讐のオペラ「トスカ」をバックにしたアクション・シークエンスが「ゴッドファーザー」を思わせお気に入り。

 同時に「触れ行くものは全て消え行く定め」の人間ボンドの哀愁と成長のドラマは盛り込まれているのでお腹一杯。短いセリフに重たい背景を忍び込ませる腕は、前作に続いくポール・ハギス他の脚本陣の腕の見せ所。“野獣系ボンド”ダニエル・クレイグは映画のトーンにマッチして好調。悪役マチュー・アマルリックが小物っぽく見えるところが、逆に背後の組織の”大きさ”を感じさせてくれて面白いバランス。ボンド・ガール・オルガ キュレリンコは露出不足(?)かも知れませんが、ご不満の方は「ヒットマン」をレンタルしてきましょう。

 ラストが前作「カジノロワイヤル」ほどの「!」感がない、「カジノロワイヤル」を見ていないとなにがなんだかわからない**、ボンドの迎え(拘束)に若い女性を出すようなまねをMI-6がするかあ、と弱点はあるのですが、徐々に姿を現し出した“巨大な敵”の黒い影とともにまた次回作が楽しみ。

*編集のリチャード・ピアソン、第二班監督ダン・ブラッドリー、スタント・コーディネイターのゲイリー・パウエルは「ボーン」シリーズに関っています。
**車のトランクのおっさん、ひげの黒人おっさん、イタリアの隠居おじさん、そもそもヴェスパーって誰?がわからないと混乱必死。また”火の中で抱きしめる”は前作の”シャワーの中で抱きしめる”と呼応しているので前作の復習が必須。

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2008年12月 2日 (火)

ケイト・ウィンスレット新作「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」&「愛をよむひと(The Reader)」

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 メリル・ストリープが現役の演技派の女王(アカデミー賞ノミネート14回、受賞2回)だとすると、31歳にして既に5回のノミネートを誇るケイト・ウィンスレット(ウィンズレットが正しいと思うのですが)はプリンセス(?)。その彼女の12月米国公開の新作で既にダブルノミネートの可能性がささやかれているのが、実生活の旦那サム・メンデス監督、「タイタニック」の運命の人レオナルド・ディカプリオを共演に迎えての「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」とベルンハルト・シュリンクのベストセラー「朗読者」を、「めぐりあう時間たち」のスティーブン・ダルドリー監督が映画化、レイフ・ファインズが共演する「愛をよむひと(The Reader)」の二本です。作品情報&予告編続きにあります。

 「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」はディカプリオ・ウィンスレットの共演でまるで「タイタニック」の続編ノリですが、予告編を見ると「アメリカン・ビューティー(サム・メンデス監督のデビュー作)や「リトル・チルドレン」を思わせるヘビィな家族ドラマの模様。「愛をよむひと(The Reader)」ははやりの(?「ワルキューレ」等この冬、映画館にはナチスが一杯)第二次大戦下の欧州でのこちらもヘビィなドラマ。尚2008年3月に他界したアンソニーミンゲラの最後に関与した(製作)作品です。

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2008年1月16日 (水)

ジョージ・A・ロメロ新作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」

Diary_of_the_dead240 噂のロメロの新作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」はアメリカで2月15日公開。

 元々、インデペンデント系映像作家である彼は、一時期ハリウッドで”ゾンビ外”ホラー等も撮ったりしていたのですが、老齢にさしかかりもう”撮りたいものだけとるんじゃ”といわんばかりにここにきてゾンビ物に復帰。それでも復帰作「ランド・オブ・ザ・デッド」は彼にしては結構オールスター作品でしたが、今回は更に”インデペンデント”のルーツに帰り、無名の出演者&製作スタッフと組んで低予算作品で”ゾンビが人類を襲った最初の日”に焦点を当てたインデペンデントな匂いの漂う作品。

 ただ大きな問題は18日から公開されヒットが予想される「クローバーフィールド HAKAISHA」が全く同様なアイデアの作品であること。中1ヶ月で似たようなアイデアの作品とぶつからなくてはならないのはちょっと危ないかも(ライバルは俊英・JJエイブラムスだし、でもいずれにしても「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」だし)。

Diary of the Dead - Exclusive Trailer

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2008年1月 5日 (土)

M・ナイト・シャマラン最新作「ハプニング」The Happening

2008年10月10日
感想はこちらにまとめました:2008年夏の映画総括その1:アクション映画編
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Happening480 我々は既にそれを感じ(センスド)、その兆し(サイン)を見た・・そしてそれは、今、起きているっ!(ハプニング)。

「シックス・センス」「アンブレイカブル」で次のスピルバーグと呼ばれていた(過去形)俊英・M・ナイト・シャマランの最新作。マーク・ウォールバーグ、ズーイ・ディシャネル、ジョン・レグイザモというキャストもなかなか興味深く、どうしても期待してしまうのですが。6月13日の金曜日公開。

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2007年11月24日 (土)

「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」Sweeney Todd

Sweeney_todd480予告編は続きにあり。

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2007年11月20日 (火)

「ノーカントリー」No Country for Old Men

No_country_for_old_men480 麻薬取引の現場。全滅したと思われるギャングと見られる死体。現場に残された大金。そのヤバイ金を偶然見つけ持ち逃げする男ジョシュ・ブローリン。彼を追う不気味な殺し屋ハヴィエル・バルデム。事件に絡むシェリフにトミー・リー・ジョーンズ。ジョエル&イーサンのコーエン兄弟が「ファーゴ」の白銀の世界をメキシコ国境線の荒涼とした世界に変えて構築したモダン・ウエスタンの秀作。

 主演の3人の個性が絡み合ってコーエン兄弟独特の世界を構築しており、2008年のアカデミー賞を騒がせそうな作品。特に怪物殺し屋を演じるハヴィエル・バルデム(ポスターだとまるでホラー映画の雰囲気をかもし出しています)が話題ですが、彼に喰われることなく個性を発揮するトミー・リー・ジョーンズ(他に「エラの谷」もあり)とジョシュ・ブローリン(他に「アメリカン・ギャングスター」もあり)もさすが。

 ウォルター・マッソー主演、ドン・シーゲルが監督した「突破口」という同じような設定の映画がありましたが、こちら「ノーカントリー」はもっと暗めでとってもコーエン兄弟。ドン・シーゲルも現代劇設定のウエスタン(ダーティーハリーとか)を得意とした人でしたね。

予告編は続きにあり(YouTube)

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2007年9月23日 (日)

「ソウ4」SAW IV

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 今やアメリカではハロウィーン名物となった超残虐シリーズ四年連続第四弾。ただ今年に入ってこういう”超残虐人体切断系”がヒットしなくなって来ているだけに興行成績にご注目を(血の飛び散る&断裂面を見せられるのに弱い私には嬉しいニュース?)。

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2007年5月12日 (土)

サンフランシスコの暗闇「ゾディアック」

Zodiac270_1 デビット・フィンチャー監督の「パニック・ルーム」以来の新作は一級品のサスペンス。

 ベトナム戦争のさなか、世界中で政治的には反体制の嵐が吹き荒れ、ヒッピー、サイケデリック、性・ドラッグ開放等のムーブメントが起き、音楽や映画といった表現アートの世界も社会と連動した形でなど変わりつつあった1960年代後半。そのムーブメントの震源地であったサンフランシスコで実際に起きた残虐な連続殺人事件。犯人と自ら名乗り出た男は自らを“Zodiac(星座)★”と呼び、新聞社に犯行声明を送りつけ、ついには電話でのインタビューにも答えるという一種のメディア・スターにのし上がりました。その男が自分で申告した殺人は実に37件(実際に確認されたのは5件)。サンフランスシコ近辺では夜外出する人が減り、また子供の乗るスクールバスを銃撃するという予告をして、サンフランシスコ・ベイエリアの子供(監督自身がその一人だった)とその親を震え上がらせました★★。

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続き、解説、サウンドトラック情報は”続き”にあり。

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2007年2月14日 (水)

ウッディ・アレンの最新作「スクープ」

Scoop220_1 前作「マッチ・ポイント」で舞台をニューヨークからロンドンに移し、新たな境地を切り開いた巨匠ウッディ・アレン。同作で悪女ぶりを発揮して新境地をひらいたスカーレット・ヨハンソンが女子大生探偵主人公に扮し、アレンみずからその助手役の手品師に扮して、ロンドンに発生した謎の連続殺人事件の謎に関する“スクープ”を追うコメディ&サスペンス。疑惑の渦中の億万長者の跡取り息子がヒュー・ジャックマン★という豪華共演です。

 基本的にはここしばらくのアレン軽いコメディの流れをくむ作品で、以前からのウッディ・アレンファンには馴染みの感覚を持っていますが、それゆえに前作「マッチ・ポイント」の異色ぶりが際立ち、前作でウッディ・アレン入門を果たした人には“なんじゃこれ”となる可能性あり。ヨハンソン&アレンの探偵コンビの凸凹ぶりとやり取りのおかしさが作品の“核”でこれに乗れるかどうかで作品の評価が変わってくるかと思われます。アメリカでは、前作ほどの評判は呼ばず今年のアカデミー賞レースでは噂にものぼりませんでした。

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2006年10月31日 (火)

デビット・フィンチャー最新作「ゾディアック/ Zodiac」 プレビュー

2007.5.11
3月に見たのですが、感想まとめるのに時間がかかりまして・・・・こちらをご覧ください:サンフランシスコの暗闇「ゾディアック」

2007.1.6追記:
公開が迫ったはずなのに何の宣伝もないなあと思っていたら3月2日に更に公開延期・・・・
公式サイト:http://www.zodiacmovie.com/

2006.11.18予告編追加:ロッド・スチュアート”I'm Losing You”が良い感じです。

Zodiac2201966年から1978年にかけてサンフランシスコ近辺で起きた連続殺人事件。最低でも5件の殺人を起こしたが、実際に犯人の犯した犯行は30件以上との説もある。殺人犯が新聞社に送りつけてきた独特の星座のようなマークから犯人はザ・ゾディアック・キラー/The Zodiac Killer(星座殺人者)と呼ばれ、ご存知「ダーティ・ハリー(舞台はサンフランシスコ)」第一作の連続殺人犯スコルピオのモデルにもなったが、結局事件は2004年に迷宮入りとなった・・・。

この事件に取り憑かれた男たち・ジェイク・ギレンホール、マークラファロ、ロバートダウニーJrのドラマを描くデビット・フィンチャー監督の最新作。2006期待の作品として秋の公開が予定されていましたが、あれれ、1月公開に延期。アカデミー賞とは関係ないのかそれとも同系列の「羊たちの沈黙(2月に公開されたが、アカデミー賞受賞)」になるのか。出来が楽しみです。

続きに作品情報あり。
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2006年10月17日 (火)

やられました、「ディパーテッド」

Departed1_220_2 お見事。優れた犯罪アクション映画であり、現時点で本年度の最高の作品。アメリカでの批評を読むとスコセッシ作品としては“「グッドフェローズ」以来の優れた作品”という言い方が出ていますが、個人的には「グッドフェローズ」よりも上。「ギャングス・オブ・ニューヨーク」「アビエイター」でアカデミー賞にもう一歩だったスコセッシ・ディカプリオコンビに悲願の栄冠をもたらすかも知れません★。

 原作にあたる香港映画「インファナル・アフェア」の舞台である香港闇社会を、アイリッシュ・マフィアの跋扈するサウス・ボストンに移し変え★★、警官に潜入した犯罪組織の男と犯罪組織に潜入した警官の二人の男。常に死と背中合わせの緊張感の中で、生き残る唯一の方法は敵対する組織内“潜入者”を見つけ出し抹殺すること。お互いに顔も知らない二人が、自分の影に怯えつつ、生死をかけて激突します。

 最近のリメークはやりのアメリカ映画をお嘆きの方も多いと思いますが、逆にリメークの強みもあります。それはきちんとした設計図(脚本)が既に出来ている為、その上に安心して力のあるスタッフ&役者達を乗せて存分に個性を引き出すことに集中出来ること。

 演技では、繊細で脆いレオナルド・ディカプリオVS自信に満ちたマット・ディーモンの若手の駆け引きも素晴らしいのですが、やはり今回はジャック・ニコルソン。威厳と愛嬌を持ちながら、ちょっと気に入らなければ即相手の頭を打ち抜くようなぴりぴりとした狂気を撒き散らして、二人の運命を握る組織のボス・フランク・コステロを演じています。スコセッシと言えば、デニーロとのコンビが名高いのですが、今までニコルソンと組んだ事が無かったのが不思議。警察側幹部マーティン・シーン、マイク・ウォールバーグ、そしてアレック・ボールドウィンの3人も素晴らしいのですが、一人で対抗してしまうその存在感は圧巻です(犯罪組織幹部レイ・ウィンストンにもご注目を)。そしてこの男臭い世界の中で、注目は対決する二人の男から愛される運命の女性マドリンを演じるヴェラ・ファーミガ。精神科医という知的な役柄を演じながら、二人の男を惹きつけて行く色気は只者ではありません。これまでは独立系の映画で活躍してきた人ですが、今後化ける可能性あり。

 スタッフに関しては、撮影(マイケル・ボールドハウス)も編集(名コンビ・セルマ・シューンメイカー)も巧みですが、個人的に特筆したいのは音楽。ハワード・ショアの音楽+相変わらずのスコセッシ選曲の上手さ。“戦争、レイプ、殺人。嵐が吹き荒れている。もし隠れる場所を見つける事が出来なければ、俺は吹き消されてしまう。誰か俺に隠れる場所をくれ”と歌うザ・ローリング・ストーンズの名曲“ギミーシェルター”、そして“私は、快適な麻痺に落ちてゆく”と歌うピンク・フロイド“コンフォタブリー・ナム”(映画ではアイランド系・バン・モリソンのバージョン)を、そして地元ボストンのバンド・ドロップキック・マーフィのアイリッシュ的でかつヘビーな“I'm Shipping Up To Boston”の予告編で使われている3曲が、分散した形で効果的に使われています。

 こうした役者&スタッフを存分に操って、スコッセッシが本領を発揮したずしんとヘヴィなドラマ&アクション。1年半前のアカデミー賞の復讐を果たすときはやってきました。日本公開は来年1月★★★との事ですが是非お楽しみに(注:かなり血生臭いので、ご注意を)。

★「ミリオンダラー・ベイビー」で「アビエイター」を逆転、墜落させた最強のライバル・イーストウッドの「父親たちの星条旗」が今週末に登場しますが。スコッセッシVSイーストウッドの重量級再戦も見もの。
★★その雰囲気はライバル・イーストウッドの「ミスティック・リバー」にそっくり。あの映画も同じ場所で育った三人の男が、犯罪者、犯罪犠牲者、そして警官になる映画でした。ボストンはアイルランド系住民がアメリカで最も多く、U2のコンサートが最も盛り上がる場所。
★★★ 日本公式サイト

過去記事:ザ・ディパーティッド(インターナルインファナル・アフェア)/ The Departed プレビュー別ポスターあり

続きに米国版予告編&作品情報  人気blogランキング参加中。 banner_02


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2006年10月13日 (金)

レオVSディーモン、Part III, ブラッド・ダイアモンド&グッド・シェファード

只今ヒット中の「ディパーテッド」で“潜入”対決するレオナルド・ディカプリオ(1974年生まれ・31歳)とマット・ディーモン(1970年生まれ・先週36歳になった)。「タイタニック」と「グッド・ウィルハンティング」が1997年の12月にアメリカで公開され、翌年のアカデミー賞を騒がせて以来のライバルですが、この2006年に奇しくも再度12月に主演作品が相次いで公開されます。

Blood_diamond220まずは12月15日に公開され、南アフリカを舞台にして貴重なピンク色のダイアモンドの争奪戦を描くのがディカプリオ主演でジェニファー・コネリー、ディーモン・ホンソーが共演の「ブラッド・ダイアモンド/ Blood Diamond」。「グローリー」、「ラスト・サムライ」のエドワード・ズウィックが監督なので、単純なアクション映画ではなく、異文化を背景にした壮大なドラマになっているはず。予告編からは「ホテル・ルワンダ」「ナイロビの蜂」にも通じる“匂い”がします。共に子役から出世のジェニファー・コネリーとの共演も楽しみです(続きに作品情報&予告編あり)。

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Good_shepherd2201週間後の12月22日に公開になるマット・ディーモン主演作が「ザ・グッド・シェファード/ The Good Shepherd」。

シェファード/Shepherdとは、羊飼い、よき指導者の意味。ところが“よき羊飼い/The Good Shepherd”というとキリストの事を意味します。この意味深なタイトルの作品が久々のロバート・デ・ニーロの監督作品で、マット・ディーモンを主演に、出産前に撮影を終えていたアンジェリーナ・ジョリー、そしてデニーロ自身、加えてアレック・ボールドウィン、ウィリアム・ハート、ジョー・ペシ、そしてジョン・トゥトーロが脇を固めたスパイ・サスペンス。CIAでマット・ディーモンというと昨年の「シリアナ」を思い起こさせますが、こちらは内情暴露というよりサスペンスに仕上がっている模様。デニーロとは久方ぶりのフランシス・フォード・コッポラが製作(こちらも続きに作品情報&予告編あり)。

考えて見ればデニーロの前作「ボーイズ・ライフ」に主演していたのがディカプリオで、この「シェファード」の役も元々ディカプリオにオファーがあったそう。「16ブロックス」の項で80-90年代アクション・ヒーローの没落を嘆きましたが、この二人はまさにこれからの世代。今後も先の長い対決を見せて欲しいものです。

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2006年10月 8日 (日)

デジャ・ヴ/Déjà vu プレビュー

Deja_vu220ジェリー・ブラッカイマーが製作★・トニー・スコットが監督するスタイリッシュなハイテク・スリラーといえば「エネミー・オブ・アメリカ(原題:Enemy of the State)」を、またディンゼル・ワシントンが主演のポリティカル・スリラーと言えば「クライシス・オブ・アメリカ(原題:The Manchurian Candidate)」を思い起こさせますが、こちらもなかなか面白そうなアクション・サスペンス映画。007以外は意外と大作の乏しい今年のホリデイ・シーズンの興行レースで意外な活躍を見せるかも知れません。人気blogランキング参加中。 banner_02

★ リドリー&トニーのスコット・ブラザースも製作担当。

続きに作品情報&予告編あり。

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2006年9月30日 (土)

ブラック・ダリア記事更新

Black_dahlia220ブライアン・デ・パルマの新作「ブラック・ダリア」遂に見てまいりました。7月のご紹介(予告編、米国版ポスターあり)にレビューを加えたものはこちら:ブラック・ダリア/ The Black Dahlia

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2006年9月21日 (木)

ジョージ・クルーニーの新作「オーシャンズ13」&「グッド・ジャーマン」

「グッドナイト・アンド・グッドラック」と「シリアナ」の二本の作品で、監督としての名声を確立し、またアクターとしてもアカデミー賞を獲得したりで、完全に“元TVスター”の印象を消す事に成功したジョージ・クルーニーの作品二本。今年の後半から来年は盟友スティーブン・ソダーバーグと組んでの二作に主演します。

Goodgerman360_1最初の一本は第二次世界大戦中に欧州に特派員として送り込まれた男・ジョージ・クルーニーの戦争を背景としたロマンス映画&スティーブン・ソダーバーグ監督の最新作「グッド・ジャーマン」The Good German。ポスターのイメージが同じように戦火を背景にしたロマンス・ドラマ「カサブランカ」を意識している点にご注目を。お相手はこちらも波に乗るケイト・ブランシェット、そしてトビー・マグワイヤが共演します。

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Oceans13
そしてもう一本は現在撮影中の期待の続編「オーシャンズ13」Ocean’s 13。ブラット・ピットが出ないのではとの話もありましたが、無事に復帰の模様でクルーニー、デイモン、ピットと3人が並んでいると“華”があります。現時点でジュリア・ロバーツは復帰を否定していますが、TVのインタビューを見る限りゲスト的な扱いはあるかも。その代わりに最も興味が沸くのは“最強の敵”として登場すると言われるアル・パチーノ。1、2作の敵アンディ・ガルシアのおじさんだったりすれば「ゴッドファーザーPart III」ですが、果たして?パチーノとは「シー・オブ・ラブ」つながりのエレン・バーキンも出たりします。第一作に立ち返ってラス・ヴェガスが舞台。

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続きに双方の作品情報。

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2006年9月 7日 (木)

秋のホラー映画ご紹介

日本の怪談映画はお盆(納涼?)と昔は決まっていたのですが、アメリカのホラー映画はハロウィーン(意義はお盆に近い-先祖様がお帰りになる日)時期。最近は正面衝突を避けてかなり分散していますが、今年も「The Juon 2/呪怨2(10/13公開)」、「テキサス・チェーンソー・ザ・ビギニング(10月1日公開・新ポスター追加しました)」、そして「ソウ3/SAW III」等が公開されますが、これ他にも何本か秋から初冬にかけてやってきます。以下にて3本ご紹介。

Thecovenant220フィンランドでの実績を認められホラー「エルム街の悪夢4/ザ・ドリームマスター最後の反撃」でハリウッド・デビューし、「ダイハード2」で大抜擢され認められながら、ジーナ・デイビスとくっついて「カットスロート・アイランド」、「ロング・キス・グッドナイト」とコケを連発し、別れても「ディープ・ブルー」に沈んでしまったレニーハーリン監督が、原点に戻って低予算ホラーにチャレンジするのがこの作品。今週末公開なのに全然話題になっていないんですが・・・”続き”に作品情報あり。

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Return220大ヒットした「The Juon /呪怨」に主演・(何故か)生き残ったものの続編「The Juon 2/呪怨2(10/13公開)」では、どうもゲスト的な扱いになりそうな”元ヴァンパイア・キラー”サラ・ミシェルゲラーが主演するもう一本のホラー作品。タイトルと予告編から想像するに“黄泉帰り”ホラーになっていそう。”続き”に作品情報あり。

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Bug220映画の創世記からホラー映画は重要なジャンルだった訳ですが、1970年台のこのジャンル近代化ムーブメントにあたって大きな役割を果たした映画といえばやはり「エクソシスト」。その「エクソシスト」の監督ウィリアム・フリードキンがアシュレイ・ジャッド、ハリー・コニャックJrといった顔ぶれで描くのが「バグ/Bug」。予告編を見る限りかな~り薄気味悪いのですが・・・12月1日から限定公開というのはホラー映画の公開形態としてはかなり意味深★で1)出来が悪く公開後即DVD、2)出来が良くてアカデミー賞狙い?のどちらでしょうか。”続き”に作品情報あり。

★通常ホラージャンルの映画はどかんと拡大公開して早めに稼いですぐ消えるのが常。

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2006年8月27日 (日)

B級万歳、「スネーク・フライト」Snakes on A Plane

Snakes_on_a_plane220ハワイで起きた犯罪組織のボス自らが手を下した殺人事件。目撃したサーファーをロスアンゼルスで証人喚問席に立たせる為、FBI捜査官サミュエル・L・ジャクソンは目撃者と共にサウス・パシフィック航空121便に乗り組む。しかしこのフライトには目撃者殺害の為、組織の手によって究極の生体兵器=数千匹のヘビが仕込まれていた・・・

インターネット上で事前に盛り上がりに盛り上がり(詳しくはこちら“ この夏・最大の話題作(ただしネット上)「スネークス・オン・ア・プレイン」 ”をご覧下さい)、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」並の大ヒットが期待されたものの公開されてみたら、公開週に第一位を取ったものの、結局コケてしまったB級アクション・スリラー・パニック映画。でもどうしてどうしてこれがB級らしいケレン味満載の楽しい映画で、観客は爆笑しながら見ていました。日本では10月公開との事ですが、映画会社が制作費65億円、全米初登場第一位大ヒット等と宣伝しているようですが、どういうレートを使うと$30Mが65億円になるんでしょうねえ&初登場一位は公開劇場数を増やせば、閑散期にはどうにでもなります。典型的なB級宣伝手法。

とにかく下品でエゲツない残虐なヘビの暴れっぷり(あんなところやそんなところに噛み付きます)、サービス以外の何物でもないヌード、安い脇役達(何故映画に出てくるラッパーは皆こう“安い”のか?)、いちゃつく奴はさっさと惨殺、いけ好かないキャラも惨殺というB級映画のフルコース。でもヒーローはかっこよく、ハラハラドキドキさせて、笑わせて、ちょいと泣かせて最後はきちっと締めるという作る側の“予算は無いけど、どんなことを観客を楽しませてやるっ”という意識の伝わってくるB級の鏡。

同じ飛行機が舞台という事で、昨年の「レッド・アイ(こちらもB級快作)」や、「フライト・プラン」、そしてパニック映画的手法で「エアポート・シリーズ」「ポセイドン・アドベンチャー」等を思い起こさせますが、ジョディ・フォスターが出ていなきゃただのトンデモだった「フライト・プラン」、アイデアに何のひねりもなかったリメーク大作「ポセイドン」に比べて個人的にはこっちの方が好きです(今だに「ユナイテッド93」を見にいけないのにこの残虐映画を見て笑っていられる私も結構考え物ですが)。

FBI捜査官サミュエル・L・ジャクソンはシャフトそのままのタフな捜査官を熱演。危機の連発についに切れて飛び出す“mother f#$king”ワードの連発がアメリカ人に大うけしていました。日本での変な“大作”宣伝に騙されずに是非笑いながらお楽しみ下さい。

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2006年8月19日 (土)

オーランド・ブルーム新作「ヘイヴン 堕ちた楽園」Haven プレビュー

2006.9.13 予告編を続きに追加。

2006.8.31追記:
日本公開タイトルは「ヘイヴン 堕ちた楽園」とのことですので、訂正致します。

Haven220若くして「ロード・オブ・ザ・リング(ス)」と「パイレーツ・オブ・カリビアン」という2つの歴史的な3部作に名を連ねたオーランド・ブルームが、今までと一変してダイビングのメッカとしても知られる楽園ケイマン諸島を舞台にしたクライム・アクション、スリラー分野にチャレンジするのが、この新作ヘイヴン 堕ちた楽園/Haven(綴りは似てますが「ヘブン」ではありません・予告編を見るとどうやら掛け合わせてあるようですが)。

ファンには結構ショッキングな映像が続きますのでご覚悟の程を(でもこれ位の汚れ役はガンガンこなさないとジョニデへの道は険しい)。

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2006年8月18日 (金)

ザ・プレステイジ/ The Prestige プレビュー

2006.9.13予告編追加:

Prestige360ヒュー・ジャックマンVSクリスチャン・ベールとは即ち、ウルヴェリン(X-MEN)VSバットマン。この秋の対決の中でディカプリオVSデイモンを凌ぎ最も魅力的な役者同士の組み合わせがこの映画“ザ・プレステイジ/ The Prestige”(でもアメコミ原作ではありません)。

1878年を舞台に二人の若きマジシャン同士の友情、ライバル意識、そして憎悪と対決、そして巻き込まれる周囲の悲劇。「メメント」「インソムニア」そして「バットマン・ビギンズ」のクリストファー・ノーラン監督ゆえにスリリングかつダークなドラマになっている模様です(ポスターはパシーノVSウィリアムスの「メメント」を思い出させてくれます)。

脇を固めているのが、マイケル・ケイン、超売れっ子スカーレット・ヨハンセン、そして「ズーランダー」のカメオを除けば映画は久方ぶりのデビット・ボウイと魅力的なメンバー。ジャックマン・ヨハンセンは「スクープ」に続き今年二本目の共演ですが、ノーラン監督・ベール・ケインの「バットマン・ビギンズ」トリオはこの後引き続き待望の新バットマン「ザ・ダーク・ナイト」で顔合わせ予定(2008年公開)。ジョーカー役はヒース・レッジャーでほぼ確定の模様。

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2006年8月11日 (金)

さらばシャロン・ストーン「氷の微笑2」Basic Instinct 2 

Basic_instinct220_2 言うまでもなくその大胆な性描写、特に大胆開脚取調べシーンが話題を呼んで1992年に大ヒットになり、それまでチョイ役、B級映画の主演でしかなかった★シャロン・ストーンを一気に“ハリウッド・スター”にしたヒット作の続編。監督のポール・ヴァーホーヘン、主演のマイケル・ダグラス、脚本のジョン・エスタハスは戻ってきませんが★★、製作のマリオ・カザール、そして主演シャロン・ストーンという欲望ギラギラ組再結集。大ヒットよもう一度とばかりに、シャロン・ストーンが張り切ってガンガン脱いでいますが・・・彼女のギャラ($12M=約14億円との噂、制作費は$70Mとの事)にも満たない$5.8M(約7億円、公開は4月でした)という信じられないような大コケ。アメリカで「前作は彼女のキャリアの出発点となり、今作は終着点となった」とまで書かれています。2007年ラジー賞の現時点での最有力候補。さらばジャック・スパロウシャロン・ストーン。

 サンフランシスコ(前作)からロンドンに居を移した美人小説家キャスリン・トラメル(ストーン)に、またかけられた婚約者殺人疑惑(有名サッカー選手、サンフランシスコでははロックスターでした。場所柄は一応考えています)。“危険中毒(Risk Addiction、この映画の元サブタイトル・今回のキーワード)”の彼女の逮捕に執念を燃やすスコットランド・ヤードの警部ワッシュバーン(デビット・シューリス/ハリーポッターのルピン先生)が送り込んだのは、有名な心理学者Dr.マイケル・グラス(デビット・モリッシー/モリセイ/モリシー)。しかし真相を追っていたはずの彼もまた、キャスリンの甘美な罠に堕ちていく・・・

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2006年8月 9日 (水)

タランティーノ/ロドリゲス新作 グラインドハウス/ Grind House プレビュー

2007.1.3 新予告編&Photo追加

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Line500_1

2006/10/12追記:遂に予告編登場:残酷な場面/エロを含みます。->消されてしまいました。新予告編の登場をお待ちください。

Grind_house0_220「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の盟友クエンティン・タランティーノ とロバート・ロドリゲスの二人が共同で監督を手がける新作は70年代のエクスプロイテーション(キワモノ)映画へのオマージュ「グラインド・ハウス」Grind House(2~3本立ての安物映画を上映する場末の映画館・元々はストリップ劇場の意味)。

そのキワモノ世界を再現するため60分程度の映画の二本立て形式(最新のタランティーノ・インタビューだとやはり60分には収まらなくなっているらしい・笑)になっており、ロドリゲスがゾンビもの 「Planet Terror」 、タランティーノ監督がスプラッターもの(スラッシャー) 「Death Proof」を監督、更にお遊びとして2つの作品の間には、架空の映画の予告編やコマーシャルが流れる予定で、これをEli Roth、Edgar Wright、そしてロドリゲス、タランティーノが監督し、場合によっては「グラインドハウス2」で映画化するとか・・・

現時点で公開は2007年4月6日ですが、タランティーノパートは8~9月撮影らしいのでどうなりますか(ロドリゲスパートは「シン・シティ2」の準備もありもう終わっているとのこと)。

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続きにキワモノ感覚満載のそれぞれのポスター&作品情報あり

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2006年8月 4日 (金)

M・ナイト・シャマラン最新作「レディ・イン・ザ・ウォーター」

Lady_in_the_water220公開されるや批評家からのブーイングを浴び、過去の作品中最低の興行成績に終わりそうなのが、このM・ナイト・シャマラン監督の最新作「レディ・イン・ザ・ウォーター」。公開からしばらくたったがらんとした映画館で見てきました。

お話は基本的に“ベットタイムストーリー(おとぎばなし)”。ペンシルバニアのありふれたモーテルThe Coveの管理人(ポール・ジアマッティ)と個性的なモーテルの人たち(長期滞在の移民系の人たちだらけで“長屋”化している)、そしてそのプールに現れた妖精(ブライス・ダラス・ハワード)。管理人と住人たちが、協力して彼女を助けようとして一致団結した時に、小さな奇跡が起こる・・・

巻頭を飾るアニメの“起”、管理人を中心とした“長屋”の人物紹介を行い、同時に不思議な出来事が起こる“承”、そしてそれぞれのキャラクター達が動き出し繋がってくる“転”まではなかなかうまく転がっていて、その絵作りのうまさときびきびした語り口で、リアルなおとぎばなしに引き込むあたりは、さすがはシャマラン。「突然モーテルのプールに妖精が現れる」という現実離れした設定に上手く乗れれば、かなり楽しめます。

弱点は“起承転結”の“結”が弱いと言うか、落ちが上手く落ちなくて(というより、期待したような”どんでん返し”はない)、消化不良を起こしてしまう事。「シックス・センス」、「アンブレイカブル」、「サイン」、そして「ヴィレッジ」といずれの作品も落ちに特色があり、観客が「落ち」に期待を抱いてしまうシャマラン作品。本人は意図的にその期待を裏切りにかかったのだとは思うのですが、おとぎばなしに付き物の“因果応報”の“報”が無い為に、カタルシスが無い結果となって低い評価になっていると思われます。でも個人的には読みやすかった「ヴィレッジ」よりは楽しめました。

妖精-人魚の連想で設定が「スプラッシュ」と思っていましたが、考えて見れば「スプラッシュ」の監督はブライス・ダラス・ハワードの父親ロン・ハワード(意図的?)。人魚ダリル・ハンナに比べると色気がないのが弱点。また最近売れっ子のポール・ジアマッティ(「サイドウェイ」「シンデレラ・マン」)はここでも好調を継続していて“良い人”を好演。彼を中心とした“長屋”の個性的なメンバーも中々見ていて楽しく、最後まで飽きないファンタジー(というか、実は長屋人情話)でした。

日本でも賛否両論(というか、多分否定の方が多いはず)が出ると思いますが、是非ご自身の目でお確かめ下さい。

過去記事: 「レディ・イン・ザ・ウォーター」Lady In The Water (予告)

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2006年7月28日 (金)

ブラック・ダリア/ The Black Dahlia

9月29日・レビュー追加(プレビュー記事は全て”続き”に移行しました。

Black_dahlia220ジョシュ・ハーネット、アーロン・エックハート、スカーレット・ヨハンセン、そして若くして二度のオスカーに輝いたヒラリー・スワンクと生きの良い若手を揃えて、作家ジェイムス・エルロイの「LA四部作」の第一作であり、最高傑作とも言われる「ブラック・ダリア」の映画化にブライアン・デ・パルマ監督が挑んだのがこの作品。非常に期待して観に行き、それなりには楽しめたのですが、期待が大きすぎたのか全体としては肩透かしの印象。勿論中盤の見せ場の主要人物殺害シーン等、ドラマチックかつ華麗なデ・パルマらしい世界も楽しめるのですが、どうしても役者に色気が感じられない点が弱点に感じられました。

LAを舞台にした暗黒物の名作「チャイナ・タウン」のジャック・ニコルソン&フェイ・ダナウェイ、同じ原作者の「LAコンフィデンシャル」のラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、ケビン・スペイシー、そしてキム・ベイシンガー等の役者達は、鮮やかな“色気”を発散していたと思います★。ジャック・ニコルソン/ラッセル・クロウと比較されては発展途上のジョシュ・ハーネットが可哀相ですが、既に2度のオスカーを取ったヒラリー・スワンクに、男の運命を狂わせるファム・ファタールとしての魅力が出せなかった点大いに不満。「ボーイズ・ドント・クライ」は殆ど男役、「ミリオン・ダラー・ベイビー」はボクサー役というように男性的な役柄だったことを考えるとひょっとすると“妖艶”な役柄は人選ミス?★★色気という点ではまだ、スカーレット・ヨハンセンの方があるのですが、やはりダナウェイ/ベイシンガーの魅力に比べると、まだまだ小娘。

考えてみれば前作「ファム・フェタール」も、レベッカ・ローミン(X-MEN/ミスティークの中の人)&アントニオ・バンデラスという色気のある役者を使っておきながら、余り色っぽく感じさせなかったのですから(露出の多さと色気は関係ありません)、ひょっとしてこれはデ・パルマの弱点?名誉回復で是非早めに次回作を見せて欲しいものです。

★同じ分野で「狼たちの街」MULHOLLAND FALLS というニック・ノルティ、マイケル・マドセン、ジョン・マルコビッチ&メラニー・グリフィスという美味しい役者達が絡む渋い作品もあります。名作とは言えませんが、ジェニファー・コネリーが脱ぎまくって別の意味の色気を発散しています。
★★エックハート・スワンクの「コア」コンビも出世したなあと余計な事を考えてしまいました。

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2006年7月25日 (火)

ソウ3/ Saw III プレビュー

2006.12.20
ブログパーツ、こちらへお引越し。
Bkline

2006/9/14予告編追加:

Saw_iii_220Sawiii_2_220
Bkline

私の一番苦手(血が多いと言うより“断裂面”が嫌)な映画ソウの3年連続第三弾。今年のハロウィーン・シーズンは伽椰子&俊夫(The Juon 2/呪怨)VSレザーフェイス(テキサス・チェーンソー・ザ・ビギニング)VSジグソウの三つ巴決戦。今度は“歯”に拘っているのもまた嫌。

ソウ3/ Saw III
分野: ホラー・サスペンス・続編
米国公開日: 2006年10月27日(拡大公開)
米国公式サイト:
米国配給会社: Warner Bros. Pictures Distribution
日本公開日:2006年
主演:Tobin Bell, Shawnee Smith, Bahar Soomekh, Angus MacFadyen, Dina Meyer
監督:Darren Lynn Bousman
製作:Leigh Whannell, James Wan, Daniel J. Heffner
上映時間:未定
レイティング:未定

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2006年6月16日 (金)

ウッディ・アレンの最新作「スクープ」Scoop

Scoop220昨年末の「マッチ・ポイント」がまだ日本公開されないうちに、ウッディ・アレンの新作が早くも登場。

前作でお気に入りになったスカーレット・ヨハンソン★を主役に、ブロードウェイから「X-MEN」までこなすヒュー・ジャックマンを相手役にして自ら脇を固め、またもやロンドンを舞台にしたこの「スクープ」Scoopは、同じように殺人事件を扱っていながらもロマンチック・コメディ・スリラーになっている模様。「マッチ・ポイント」が凄く面白かっただけに期待の一本です。作品情報“続き”にあり。

★スカーレット・ヨハンソン
今だ21歳にしてウッディ・アレン作品に連続登場。ブライアン・デ・パルマ監督の新作「ザ・ブラック・ダリア」、クリストファー・ノーラン監督の新作「ザ・プレステイジ」にも重要な役どころで登場するという若手最大のスター。ライバルと目されるキーラ・ナイトレイとは「ヴァニティ・フェア」の“ヌード”表紙で共演するなど話題にも事欠きません。元々子役で「モンタナの風に吹かれて」や「スパイダーパニック」にも出ています。

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2006年6月 9日 (金)

「テキサス・チェーンソー・ザ・ビギニング」Texas Chainsaw Massacre: The Beginning

2006.9.13予告編追加:

9月6日追記:新ポスター追加。
Tcm220

Bkline

Tcm_b220昨日、一昨日とお伝えしたように貞子に伽椰子に俊夫と日本のお化けの米国進出に、ハリウッド側も迎撃体制。でも出てくるのがダミアン(オーメン)にレザーフェイス(テキサス・チェーンソー)と何故か昔の大スターばかり。それでいいのかハリウッド。

ホラーというより“スラッシャー”映画として一分野を築いた「悪魔のいけにえ」こと“Texas Chainsaw Massacre(テキサス電動鋸虐殺)”。そのリメーク“テキサス・チェーンソー”が結構当った為に、今度はその主人公レザーフェイスの誕生に焦点を当てた新作がこちら。あらゆる伝説には始まりがある・・・という予告編は「スターウォーズ・Episode I」の乗り。ハロウィーンにはレザーフェイスVS伽椰子の興行戦争です。

続きに作品情報(予告編は米国サイトにあり・残酷描写を含むため時間限定公開)
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2006年6月 8日 (木)

ジャパニーズ・ホラーハリウッドへ行く、その2「パルス」Pulse

Pulse220その1「The Juon2」に続きましての登場は、黒沢清監督の2001年作品「回路」のハリウッド版リメイク「Pulse」。携帯を通じて別の世界に繋がってしまう設定がスティーブン・キングの最新小説「Cell」の中でおきるPulseと呼ばれる大破局に似ていますが、こちらはこじんまりと恐怖が忍び寄ります。全く知らない若手キャストゆえに怖さ倍増。ポスターが怖い・・・・

続きに作品情報(予告編あり)   人気blogランキング参加中。 banner_02

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2006年6月 7日 (水)

J-ホラーハリウッドへ行く、その1「The Juon 2/呪怨」

2006.9.13予告編追加:

6月26日追記:
最新Photo(続きの中にあり)&公式サイトへのリンクを追加しました。今回の主役はサラ・ミシェル・ゲラーの妹役アンバー・タンブリン。失踪した姉を探しに来て呪われた家に足を踏み入れてしまうことに・・・・・

Grudge_two220「リング」「ダーク・ウォーター」と日本発のホラー映画のハリウッド版リメイクが盛んですが、その中でも日本版と同じ清水崇監督の手によってリメークされた「THE JUON/呪怨」の続編「The Gradge 2」が今年のハロウィーンシーズンに向けて登場(13日の金曜日公開ですが、あまり日本のお化けには関係がないような気が・・・)。内容的には日本版「呪怨2」とは違った内容となるそうですが、前作同様清水監督がメガホンを取り、前作からサラ・ミシェル・ゲラーも、伽椰子さんも俊夫君(ポスターじゃ堂々の主役)も帰ってくるそうな(怖)。さりげなくジェニファー”フラッシュダンス”ビールズがいるのが、とても気になります。

続きに作品情報。   人気blogランキング参加中。 banner_02

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2006年6月 2日 (金)

「ラッキー・ナンバー・7(スレヴィン)」Lucky Number Slevin

2007.1.10
 やっと日本公開になったと思ったら、2007年にちなんで、タイトルが変更されておりました。2005年に作られた作品なんですけど(笑)。でもこうした”中級”拾い物作品が日本公開されるのは良いことかと。ブルース・ウィリスは「ダイハード4」も含め、2007年は暴れてくれそうです。
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Lns_220思わぬ拾い物。

 「ユナイテッド93」を見に行く勇気がなくて、代わりに見た映画がこの「ラッキー・ナンバー・スレヴィン」。フィクションだとわかっていると人がばんばん殺されるのを見てしまってなんともなくなっている私。ああ、なんと罪深きことか(「ダ・ヴィンチ・コード」の影響で宗教がかってる?)。

 冒頭で過去・現在にまたがってたて続けに起きる殺人。ニューヨークの友人のアパートに転がり込んだばっかりに、その友人と間違えられて2つのギャング組織から借金の返済を求められる不運な男・スレヴィン(ジョシュ・ハーネット★)。不運中の幸いの隣人のチャーミングな女性(ルーシー・リュー)。対立関係にある組織のボスが、“ザ・ボス(モーガン・フリーマン)”と“ラバイ(ベン・キングスレー)”と呼ばれる豪華アカデミー賞受賞コンビ。二つの組織の間を行き来する凄腕の殺し屋(ブルース・ウィリス=「“ラストマン・スタンディング”=“用心棒”」を連想)。犯罪を追う捜査官(スタンリー・ツッチ)もこの混戦に参戦しての一癖・二癖どころではきかない曲者揃いの豪華な顔ぶれ。こんな中でいかにも気弱そうなスレヴィンは生き残る事が出来るのか・・・そもそもこんな不幸なスレヴィン君が「ラッキー・ナンバー」って何のこと?

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2006年5月21日 (日)

今年最大の話題作「ダ・ヴィンチ・コード」登場

Davinci_220_1世界同時公開なので、先取り情報も何もないのですが(笑)どうしても色々書きたくなってしまう作品。「ミッション・インポッシブル3」「ポセイドン」に続くハリウッド怒涛の大作第三弾。

原作はダン・ブラウンの超∞ベストセラーの映画化。それを「ビューティフル・マインド」「シンデレラ・マン」のロン・ハワードが監督、トム・クルーズと並ぶ現代最高の“マネーメイカー”トム・ハンクスが主演、内容を巡ってはキリスト教関係者を中心に轟々たる非難が沸き起こり、制作会社であるSONY製品の不買運動まで起こされているという話題作(作中SONYの最新製品がばんばん出てきます)。

映画化するにあたり、原作にある多くの“暗号”を映像的にどう処理するのかに注目していましたが、この点に関しては鮮やかなくらいバッサリ斬り捨て(何の悩みもなくいきなり解読)、ストーリーが前に進んで行きます。映画は“本”と違って映像で語る物ですから、この斬り捨ては映画のリズムを保つためには、正解と思いましたが、原作を読んでいない人、ヨーロッパ史&キリスト教に何の知識もない人(マグダラのマリア、ニュートンって誰?聖杯って?)、美術に興味がない人(「最後の晩餐」って何?)はあっけなく置いてけぼりをくらう可能性大。後ろの席のおじさんは中盤から終わりまでいびきをかいて寝ていました。

逆に言うと上記分野に興味がある人には興味深々。謎解きの過程において歴史的な事件がイメージ映像的に挿入されているのですが、きちんと予算をかけて気合を入れて作りこんであり、歴史マニアの心をくすぐる事請け合い。またルーブル美術館がきちんと撮影協力していることもあって、作中重要な役割を果たす「モナリザ」「岩窟の聖母」を始め、多くの名画がおどろおどろしい“夜の美術館”の雰囲気をかもし出しています。「サモトラケのニケ」をシルエットだけで使っているあたりの贅沢さはため息もの。

噂の宗教的なインパクトに関してですが、アメリカの一般的な人にはやはりかなり唐突な結びつきのようで、このあたりはシーンとしていました。カンヌで不評だったというのもこのあたり&黒幕のあっけなさが原因と思われますが、これは原作の持つ欠陥(竜頭蛇尾)ですから映画を責めても仕方がなく、作品としては手堅い出来と思います。トム・ハンクスは語り部に徹し話の進行役、オドレイ・トトゥはフランス女性の硬さが出ていて良い反面、トム・ハンクスとの間に“艶っぽさ”がないのが残念(絶対に別ヴァージョンのラスト=原作に忠実を撮っていると思うのですが)。ジャン・レノ/ポール・ベタニー/アルフレッド・モリーナは手堅いのですが、一番美味しい役はイアン・マッケラン。「ロード三部作」に加えこの作品、来週の「X-Men3」のマグニートといまや最高のマネーメイカー!?

という事で、原作を読んだ人、読んでない人、歴史・美術に興味がある人、キリスト様に思い入れがある人、ない人ではっきり意見が割れるであろうこの作品。ゆえに人の口に上る=この夏最大の話題作なのは間違いありません。これに刺激されてまた原作、更に売れるんでしょうね~(+すでにルーブル美術館は観客増加。更に加速しそう)。ちなみに来年にはラングルトン教授が活躍する新作小説が登場予定。出足好調のようで映画の方もシリーズ化が期待できそうです。

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2006年5月18日 (木)

「オーメン」The Omen (2006)

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勿論1976年に公開されたホラー映画の名作「オーメン」の30年ぶりのリメーク。呪われし悪魔の子・ダミアンを巡っての恐怖の基本は同じ模様ですが、勿論アップグレードしているはず。当時はグレゴリー・ペックがホラー映画に出る事で話題でしたが、今回は地味目のメンバー。6年6月6日公開!と安易に決められた企画じゃないことを祈ります。

「オーメン」The Omen (2006)
分野: ホラー/サスペンス/リメーク
米国公開日: 2006年6月6日(拡大公開)
米国公式サイト:http://www.theomenmovie.com/
米国配給会社: 20th Century Fox Distribution
日本公開日:2006年6月
主演:Julia Stiles, Liev Schreiber, Mia Farrow, David Thewlis, Pete Postlethwaite
監督:John Moore
製作:Glenn Williamson, John Moore, Jeffrey Stott
上映時間:105分
レイティング:未定

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2006年5月11日 (木)

「レディ・イン・ザ・ウォーター」Lady In The Water (予告)

Lady_in_the_water2202006年5月10日追記:公開が迫り、新ポスターが登場しました。
メルヘン調だった今までの予告から、徐々に”スーパーナチュラル・サスペンス”の色彩を強めてきた予告編にご注目を。
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LadyintheWater12月16日追記:ポスターが登場しました。
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以下2005年12月1日記事:
感謝祭(サンクスギビング)からクリスマスは年間最大のショッピングシーズン。同時に映画もかきいれ時で、「ハリーポッター」を初めとして、今週は「イオン・フラックス」、来週は「ナルニア国物語」&「SAYURI」、そしてその翌週は「キングコング」「プロデューサーズ」と期待の映画が続々と登場します。

と、同時にこれらの映画には来年公開の期待の映画の予告編が一緒について来て、これがまた楽しみ。ちなみに「ハリーポッター」には「スーパーマン・リターンズ」と「レディ・イン・ザ・ウォーター」の予告編が付いていました。

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2006年5月10日 (水)

「ナイロビの蜂」The Constant Gardener

Constantgardenerレイチェル・ワイズがアカデミー賞の助演女優賞を受賞した作品。おお、オメデトーと思ったらなんと巻頭2分で惨殺。ではその後はどうなるかというとこれが、残された旦那・レイフ・ファインズに憑いて彼を闇にいざないます。果たして彼女は夫を裏切ったのか?真実を追う夫は闇の奥に何を見出すのか?

これを美しきラブストーリーととるか(日本での宣伝はそのようですね。アメリカでの宣伝も基本的には同じ)、美しく雄大で、そして残酷なアフリカの風景を舞台にしたサスペンス物(巨匠・ジョン・ル・カレ原作)ととるかは見るほうの自由。異文化の中に白人夫婦が吸い込まれていく感覚は、時代背景は違えど「シェルタリング・スカイ」。また疑惑を抱きながら妻の死の謎を追う点では、スティーブン・キングの小説「骨の袋」を思わせますが、ここで浮かび上がる“闇”は我々が日常付き合っているだけに“幽霊”よりも怖い存在です。

ブラジルの貧民街を舞台にした「シティ・オブ・ゴッド」でアカデミー賞の監督賞にノミネートされたフェルナンド・メイレレスの描くアフリカは「ホテル・ルワンダ」以上にリアルでほとんどドキュメンタリー(監督はブラジル以上に貧しいアフリカの実態にかなりのショックを受けた模様。DVDのコメントより)。そして主役の二人をはじめとした英国俳優陣の重厚な演技が、物語にリアリティを与えていてレイチェル・ワイズの助演女優賞もなるほど納得(幽霊はやっぱり美人が似合うと、個人的には思ってしまいましたが)。

ハリウッド式“カタルシス”や、ロマンス物の“感動”を求めて映画館に行くと手痛いしっぺ返しを食いますが、ずっしりとした歯ごたえのある作品をお求めの方にはぴったりです。

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2006年5月 6日 (土)

ついに公開「ミッション・インポッシブル3」

Mission_impossible_iii_220サマーシーズンの開幕を告げる号砲がこの「ミッション・インポッシブル3」。初日(金曜日)の夜に見に行きましたが、20スクリーンもある劇場で30分毎に上映されている(同時に最低4回上映されている訳ですね)にもかかわらず満杯。この所、奇行で評判を落としていたトム・クルーズですが、やはり現代最高のスター(前作の「宇宙戦争」では興行収益配分も含め$100M(日本円で113億円を受け取ったとか)健在ぶりを見せ付けました(制作も兼任)。
★5月7日追記:ところがところが興行的には予想を下回り$48Mデビュー。やっぱり奇行が祟ったか?こちらをご覧ください。

既に第一線から退き、MIF(Mission Impossible Force)の教育担当となったス-パー・エージェント・イーサン・ハント(トム・クルーズ)。病院に勤務する彼女ジュリア(ミッシェル・モナハン)と結婚して落ち着いた生活を考えはじめた彼の元に届いた指令は、世界のテロリスト・戦争の裏で暗躍する武器ディーラー・ダビアン(「カポーティ」でアカデミー賞ほやほやのフィリップ・シーモア・ホフマン)の元に潜入し、捕われた教え子リンジー(ケリ・ラッセル)の奪回。3人の仲間とチームを組んでベルリンのダビアンのアジトを急襲した彼らだったが、そこに待ち受けていたのは・・・

俳優としてのトム・クルーズは「レインマン」「ハスラー2」の昔から共演者を立てるのがうまい人で、今回もホフマンの血も涙もない“冷血”悪役は勿論の事、彼女役モナハン(「スタンドアップ」の同僚=はすっぱおねえちゃんと同じ人とは気がつかず)、第一作からの戦友・ルーサー(ヴィング・リームス)、チームメイト・ジョナサン・リースメイヤース(昨日ご紹介した「マッチ・ポイント」)、マギーQ、そしてローレンス・フッシュバーン&ビリー・クラダップの内部関係者、ケリ・ラッセルと脇役達が皆生き生きと活躍しています。本人は実生活のラブラブぶりが映画の中でもちらつくところが、やや減点?
★5月7日追記:「ショーン・オブ・ザ・デッド」のサイモン・ペグを忘れていました。小さいながらも美味しい役。

監督のJJエイブラムスは日本では無名ですが、TV業界では「エイリアス・二重スパイの女」「LOST」と立て続けにヒットを飛ばしている大注目の俊英。“スパイ物”である事にこだわってスタイリッシュだった第一作(デパルマ監督)、キャラは同じでもやっぱりスローモーションで鳩が飛ぶジョン・ウーワールドの第二作と比較すると、一作目に近い印象。評論家と観客からの評価もまずまずで今後が楽しみな監督。「スタートレック」映画版の次回作の演出が決定とも噂されています。

とにかく息もつかせぬ見せ場のつるべ打ちの2時間。入場料分は十分楽しませるぜっという意地で出来た2006年水準のハリウッド娯楽大アクション映画です。TVではなく劇場の大スクリーンでお楽しみ下さい(日本公開は7月)。

「ミッション・インポッシブル3」Mission: Impossible III
過去記事:
「氷の微笑2」と「ミッション・インポッシブル3」
「ミッション・インポッシブル3」M:I:III Mission: Impossible 3 (予告その2) 予告ポスターあり。
5月アメリカ公開映画紹介(別ヴァージョンポスターあり)

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2006年4月26日 (水)

この夏・最大の話題作(ただしネット上)「スネークス・オン・ア・プレイン」

5月13日:正式ポスター追加しました。
Snakes_on_a_plane220ハワイからロスアンゼルスに向かうフライトに乗った犯罪証人。証言阻止をもくろむ犯罪組織の送った刺客は機内に隠された数千匹のスネークだった・・・

どこからどう考えてもばりばりのB級作品。名が知れた出演者も証人保護を担当するFBI捜査官としてサミュエル・L・ジャクソンが出ているだけなのですが、インターネットで勝手にファンが独自の応援サイトを立上げ、自分でポスターをつくったり勝手に予告編をつくったりの“祭り”状態。略称SoaP。プレミア、エンタテイメントウイークリー等の雑誌は勿論、ニューズウイーク等の一般誌にも取り上げられて大変な盛り上がりを見せ、カルト映画になってしまった、もしくはファンのおもちゃになった作品。予告編の登場が5月の「ポセイドン」の公開時、映画そのものは8月公開なのですがその盛り上がり方は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」以来。

問題は8月公開までにみんな飽きちゃうのではないかということ。さてさてどうなりますか。サミュエル・L・ジャクソンが「パルプ・フィクション」の時並みの口の悪さ(M@#$r F%&#rの連発)で盛り上げてくれるとのことです。
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ファンサイト:
プレインズ・オン・ア・スネイク パロディ
スネイクス・オン・ア・ブログ(プレミアパーティ参加への道・ブログ)
クウォート・トラッカー(セリフ予想)

続きに作品情報とスチルがあります。

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2006年4月23日 (日)

「ザ・センチネル 陰謀の星条旗」The Sentinel レビュー

2006/8/6追記:
日本では「ザ・センチネル 陰謀の星条旗」というタイトルで8月20日から公開との事です。

Centinel2_220大統領警護の為ならば弾丸を身に受ける男たち・シークレット・サービス・エージェント。レーガン大統領暗殺未遂事件で実際に銃弾を受けた伝説のエージェント・ピート・ギャリソン(マイケル・ダグラス)。迫る新たな大統領暗殺の危機。内通者の存在を感知して動き出した彼自身にかけられた疑惑。一転して追う者が追われる者へ。彼を追い詰められるのは、かつての親友であり、弟子でもあったデビット(キーファー・サザーランド)。苛烈なチェイスが始まります。

設定が思いっきり「ザ・シークレット・サービス(原題:In The Line of Fire・傑作)」+「逃亡者(映画版はハリソン・フォード)」。その意味ではちょっと古めかしい感じもしますが、ちょっとこの2本と違うのは大統領夫人のキム・ベイシンガーとサザーランドのパートナーを勤める新人女性エージェント・ジル(「デスペラートな妻たち」のエヴァ・ロンゴリア)の存在。この二人の女性が彩り以上の意味合いを持っている所が今風な作りで楽しめる娯楽アクション映画です。

ちょっと文句をつけたいのはマイケル・ダグラスが追うもの(サザーランド)&そして徐々に正体を現す“悪”よりも強そう&賢そうで、あまり追い詰められているように見えないこと。その意味では「逃亡者」でハリソン・フォードをとことん追い詰めるトミー・リー・ジョーンズ(この役でアカデミー助演男優賞)、そして「ザ・シークレット・サービス」で、クリント・イーストウッドの常に一歩先を行く暗殺者・ジョン・マルコビッチ(この役でアカデミー助演男優賞ノミネートされたが、ジョーンズに敗れた)がいかに素晴らしかったかを思い出させてくれました。「24」では身体を張ってテロからアメリカを守り抜くサザーランドも、かつて「アメリカン・プレジデント」で大統領を演じたダグラスには貫禄負けしています。

CTUといいシークレット・サービスといいこうも内通者が多いのは、採用に問題があるのか、それとも労働環境に問題があるのでしょうか?

★4月15日・別ポスター追加しました。別ポスターを見るには”続き”をクリック。

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2006年4月13日 (木)

知的銀行強盗映画「インサイド・マン」 レビュー

6月17日追記:いつの間にか日本公開されていた本作品。日本での皆さんのブログでの評価を見ると厳しいものばかり。私は早くもう一度DVDで見返して見たいと楽しみにしています(製作者たちの意図どおり?)。まだ未見の方があれば力を抜いて個性の強い役者たちのスリリングな絡みをご堪能ください
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Insideman220_1ニューヨーク・ウォールストリート近くの銀行を舞台に、クライブ・オーウェンが銀行強盗団のボス、対峙するNY市警の刑事にディンゼル・ワシントン、警官にウィリアム・デフォー、立てこもられた銀行の創設者・頭取にクリストファー・プラマー、そしてその頭取に雇われた凄腕トラブルシューター(コンサルタント)にジョディ・フォスターという一癖も二癖もあるメンバーが集結したスパイク・リー監督作品。只今アメリカでヒット中。

曲者揃いの中、一番の曲者は実は監督。個性の強いスター達を自在に動かし、やや詰め込みすぎな脚本を旨くさばいて、多重構造を持った奥行きの深い銀行強盗ドラマに仕立てました。銀行強盗の内容&場所は「ダイハード3」を思わせますが(知的な点でオーウェンが、ジェレミー・アイロンズのボスを思い出させます)、全体に「狼たちの午後(劇中セリフの中に出てくる)」に近い印象。「狼」がアル・パチーノ&ジョン・カザールの行き当たりばったりのHotな強盗団ならば、こちらはCoolな強盗団。直線的なオーウェンVSワシントン対決だけではなく、ワシントンVSフォスター、フォスターVSオーウェン、フォスターVSプラマー、ワシントンVSプラマーと役者同士の絡み合う(騙し合う)知的強盗映画。その分、派手なアクション・痛快なカタルシスを期待すると肩透かしをくらいます。

★ジョディー・フォスターDVD

特筆すべきはジョディ・フォスター。若くしてアカデミー賞を既に2回受賞している彼女も最近は「パニック・ルーム」「フライト・プラン」という“悪に立ち向かう強い母(正義の味方)”を演じていましたが、ここでは仕事の為なら手段は厭わないタフで嫌な役柄を演じていてこれがはまり役。今後是非大悪役等もお願いしたいものです(007の世界征服を企む悪のボスなんてどうでしょうか)。クライブ・オーウェンが冷静な悪役で、俳優としての上り調子を伺わせ、スパイク・リーと名コンビのディンゼル・ワシントンは程よく力を抜いた感じで、個性の強い共演陣を引き立てています。DVDが出たらきちんと見直してみたい美味しい一本。
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2006年4月11日 (火)

「レッドアイ」RED EYE レヴュー

Redeye2_2202005年度米国公開映画中、私の個人的な掘出物映画受賞作。

勿論「エルム街の悪夢」「スクリーム」、そして最近では「カースト」とホラーの達人ウェス・クレイブンが監督、レイチェル・マクアダムスとキリアン・マーフィという粋は良いけれどまだこれからの若手が主演、内容的にはアイデア勝負の低予算サスペンス映画という一歩間違えれば火曜サスペンス劇場になってしまいそうなB級映画なのですが、これが良い方向に転んでハラハラ・ドキドキの1時間半。こんなに書いておいてなんですが、事前の期待を思い切って下げておくと(?)、相当楽しめます。

アトランタの親戚の葬儀に参加し、夜行フライト(眠れなくて目が赤くなる事から、通称レッド・アイ)でフロリダの自宅に戻るホテルのフロント女性リサ(レイチェル・マクアダムス)。隣に座ったちょっと魅力的な男ジャックが、冷静かつ狂気を秘めた殺人者だったら、彼の要求とは何を意味しているのか、彼女は、そして巻き込まれてしまった彼女の父親の命はどうなるのか、そして絶望的な状況の中でリサの反撃はなるのか、というサスペンスドラマ。

Redeye3_200アメリカで同じ時期に公開され(こちらの記事をご覧下さい)た同じくフライト中の出来事を描いた「フライトプラン」が、“ジョディー・フォスターが出ていなければただのB級映画”だったのに比べて、この「レッド・アイ」は“堂々たるB級映画”。ホラー・スラッシャージャンルで得た観客ビクビクノウハウを詰め込んでウィス・クレイブン節が冴えます。日本公開はまだ未定のようですがお勧めの一本。

別ポスターありの紹介記事:高度1万メートルの恐怖:「フライトプラン」と「レッドアイ」

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2006年3月17日 (金)

「ヒストリー・オブ・バイオレンス」 レビュー

historyof昨年アメリカで公開された映画の中で、「ブロークバック・マウンテン」「カポーティ」等と並び最も評価の高かった(いくつかの雑誌等でBest 1になっている)デビット・クローネンバーグ監督作品(ややこしいのはクローネンバーグ作品に「クラッシュ」という作品があることですね)。ただ流石はクローネンバーグ、暴力描写のキツサ、Sex描写が生々しすぎるなど反発も強く、アカデミー賞作品賞ノミネートは逃しましたが、ノミネート作に比べても遜色のない作品です(映画館で見逃しDVD鑑賞)。

インディアナの片隅の田舎町で家族と共に平凡ながらも幸せな暮らしをおくるトム(ヴィゴ・モーテンセン)。自ら経営するダイナーにある日、強盗が押し入りますが、鮮やかに撃退し、一躍ヒーローに。しかしこの事件を聞いて彼の周りに不気味な黒服の、一目見てよろしくない連中が現れます。トムの過去につきまとう黒い影におののく妻、とまどう息子(自分の高校生活にも暗い影)、何もわからない無垢な娘。

もちろん昔は流れ者、実は正当な王室の継承者をやっていたヴィゴのことですから、只者な訳はありません(ただし王様にはならない)。暗い過去を背負いながら、家族を守るために男は再び銃を取るという構造は西部劇(「許されざる者」風味)、もしくは任侠物。しかしそこはクローネンバーグ、殆どホラーに近い殺戮シーン(DVDの削除シーンに「スキャナーズ」を思わせるシーンあり。残して欲しかった)、生々しいSexシーン(2回出てきますが、そこで夫婦間の関係の変化を表現)を盛り込んで、シンプルかつ奥行きの深い“暴力についての考察”映画となっています。

ヴィゴ・モーテンセンが過去のある男を好演していますが、マリア・ベロがアカデミー賞の助演女優賞候補に入れて欲しかった絶品の妻役。不気味な男を演じさせたらこの上なしのエド・ハリス、知的で落ち着いた物腰でありながら“暴力の匂い”を漂わす男にウィリアム・ハート(たった10数分の出番のこの役でアカデミー賞の助演男優賞にノミネート)と見事なアンサンブル。

面白いのは音楽が「ロード・オブ・ザ・リング(ス)」三部作のハワード・ショアなのでそこはかとなく感じる“指輪残像“。ただ「ロード」では寸止めだった暴力描写がストレートなのでアラゴルン・ファンはお気をつけ下さい。

関連過去記事:
その後の指輪物語・ヴィゴ・モーテンセン 2005年9月24日
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2006年1月 6日 (金)

スピルバーグの危険な賭け:「ミュンヘン」Munich レビュー

munich冗談ではなくスピルバーグの最高傑作。

ユダヤ人のスピルバーグがパレスチナ問題に関わる事で、大きな落とし穴を掘るのではと見ていた人も多いのですが、「作品」を持ってその声に対峙した作品。どちらかと言えばイスラエル関係者から非難の声が上がっている(そりゃ、当時のゴルダ・メイアイスラエル首相が登場し、非合法報復行為を決断・指示するシーンがあるのですから)問題作ですが、現時点で2005年のベスト10に軒並み名を連ねている点から見ても、スピルバーグはこの賭けに勝ったのではないでしょうか。

個人的にはスピルバーグには表現者としての色が強く出た「シンドラーズ・リスト」、「プラーベート・ライアン」といった作品より、「ジョーズ」「ジュラシック・パーク」、そして「宇宙戦争」といったB級テイストの作品に最新の表現技術を組み込んだ職人的作品群に愛着があります。しかしこの映画は今日の世界でも最も扱う事が難しい中東問題、テロリズムといった問題に対して、どうしても発言したい表現者としてのスピルバーグを、映像職人としてのスピルバーグがうまく支える形で新たなる高みへ登っています。

内容は1972年に発生し、中東紛争の分岐点となったパレスチナ・ゲリラによるミュンヘン・オリンピックのイスラエル選手団の殺害事件が全ての基点となります。映画はその報復のためにイスラエル政府によって組織され、同時にイスラエル政府からは“存在しない存在”として扱われた5人の男達の物語。彼らのプロフェッショナルな暗殺活動を描く部分は“人一人を殺すことの重み”を伝えるべく描写はリアル(すなわち残虐)、かつ目標達成の過程はスリリング(新ジェームス・ボンド役に決定したダニエル・クレイグがメンバーの一人を演じているのは洒落?)。アクション映画として見ても一級品でこのあたりは職人スピルバーグの面目躍如。

ここで描かれる“ターゲット”は大体が、裕福で教養もあるアラブ人達(そもそも本当にミュンヘンの襲撃に関わったかどうかもはっきりしない)。当初はミュンヘンで殺された同胞の復讐心もあり、高揚感にも突き動かされていたメンバー達も次第に、生身の人間の返り血を浴びて、冥府魔道に落ちて行きます。映画はだんだんとアクション映画の領域を超え、表現者としてのスピルバーグが伝えたかった重厚な“テーマ”が姿を現します。

テロリストを追うものがまたテロリストになり、追うものは追われるものと成り、そして報復が報復を生み出していく。この憎悪の雪だるまが転がる先に建っているのは天にそびえる二本の巨大な塔、そして日常の中に、テロの恐怖を内在した我々が今暮らしているこの世界。言葉でなく映像を持って語らせる(それも思いっきりわかりやすい)所は、表現者スピルバーグの真骨頂。

TimeCover1 ”Time誌”インタビューを読むと途中で偶然起きる“対話”等に“希望”を含ませているとの事ですが、どうでしょうか、私にはラストは希望ではなく、永遠に続く絶望に感じられたのですが。ローリング・ストーンズの名曲「悪魔を憐れむ歌」で悪魔が囁く「結局の所、ケネディ兄弟を殺したのも俺とお前じゃないか」が頭の中でリフレインしています。

過去記事: 「ミュンヘン」Munich (予告、その2) 2005年12月10日
「ミュンヘン」Munich 2005年11月 9日

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2005年12月15日 (木)

「ファイヤーウォール」Firewall (予告)

Firewall1ハリソン・フォード63歳。「スター・ウォーズ」「インディアナ・ジョーンズ」という歴史的なヒットシリーズを初め、「逃亡者」「エアフォース・ワン」、ジャック・ライアンシリーズ(トムクランシー原作)等など今までの出演作品が、劇場で稼いだ金額4000億円と言われる現存する史上最高の”Money Making Star”。しかしながらアクションスターとしては、年齢的にきつくなってきてしまい、「ハリウッド式殺人事件」というアクションとしてもコメディとしても中途半端な映画に出るようになって、キャリア的には大ピンチ。

そのフォードの新作は、シリアスなサスペンス・アクション分野に復帰の「ファイヤーウォール」Firewall。シアトルの銀行のセキュリティ・エキスパートの主人公。完璧なはずだったセキュリティ・システムの穴は彼自身だった・・・。綿密な計算の上に彼を罠に落とす男にポール・ベタニー(「マスター&コマンダー」「ロック・ユー」、「ウィンブルドン」。ジェニファー・コネリーの旦那)。妻役が「サイドウェイ(ズ)」で復活(アケデミー賞助演女優賞ノミネート)・ヴァージニア・マドセンという曲者を揃えた布陣で復帰なるか。それとも2006年にいよいよ撮影開始と言われている「インディアナ・ジョーンズ4」まで待たなければならないのか?勝負の一作です。

続きに作品情報
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2005年12月11日 (日)

「ミュンヘン」Munich (予告、その2)

TimeCover1スティーブン・スピルバーグ監督の最新作「ミュンヘン」が話題を呼んでいます。今週の「TIME」の表紙を、スピルバーグが飾ると共に“Spielberg’s Secret masterpiece(スピルバーグの隠された傑作)”という記事、本人の独占インタビューを掲載しています。ワーナーと同じメディア系列の「TIME」が、別グループ・ユニヴァーサル製作の「ミュンヘン」を、巻頭で紹介するという事自体が、この映画の持つ社会的なインパクトの強さを物語っています。またベイエリア在住の映画評論家町山智浩さんの「アメリカ日記」というブログでは、「2005年に観た映画ではベストワンだ。とにかく強烈で、壮絶な映画だった。」と紹介しています。アカデミー賞でも本命視する声が出てきています(関連記事こちら

ユダヤ系アメリカ人スピルバーグがイスラエルのパレスチナテロリストに対する復讐を描くこの映画が、勧善懲悪、イスラエル万歳になっているのではないかという懸念が、製作の発表以来常に付きまとってきました。これに対し、スピルバーグは徹底して作品そのものを見て欲しい、作品が全てを語るとの態度でメディアに接し、インタビューも今回の「TIME」誌のみとのこと。

作品は勿論勧善懲悪映画ではなく、この中東紛争の分岐点となったパレスチナ・ゲリラによるミュンヘン・オリンピックのイスラエル選手団の殺害事件と、その影響を描くことにより、テロリストを追うものがまたテロリストになっていく、そして報復が報復を生み出していく911以降の現在を照射した作品となっている様子。その為の暴力描写が「セービング・プライベート・ライアン」の如く、リアリスティックになっているとの事で、このあたりはまた議論を呼びそうです。

米国内では12月23日に大都市部でまず公開し、新年6日から拡大公開。日本でも2月の上旬には公開されるとのこと。ただ今、この映画見たさに都市部への年末旅行を考え中です。是非まずは重々しい予告編をご覧下さいー>こちら

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続きに11月9日の紹介「その1」あり。

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2005年11月13日 (日)

「デレイルド」Derailed

derailed1シカゴの成功した広告会社幹部にして、忠実な家庭人、でもちょっと倦怠期な男(クライブ・オーウェン)が、ふとしたきっかけで、通勤電車の中で知り合った魅力的な女性(ジェニファー・アニストン)と危険な関係に陥ったばかりに、家庭も仕事も人生も大脱線してしまう(de-railed=道から外れた、脱線したの意味)シリアスなドラマが、昨日公開になったばかりの新作「デレイルド(原題)」Derailed。ちょっと寄り道するならば、ダンス教室くらいにすれば良かったのに(アメリカ版「Shall We Dance?」のリチャード・ギアと設定がそっくり)。

内容的には不倫、ゆすり、殺人と、まるで2時間サスペンスドラマですが、主人公のオーウェンの「シン・シティ」とはうって変わったダメ男ぶりと、常に主人公の2歩先をゆくヴィンセント・カッセル(「オーシャンズ12」の嫌味なライバル)の板についた悪役ぶり(どんなに主人公が頑張っても勝てそうにない)が、見もの。

ジェニファー・アニストンは、「フレンズ」イメージを払拭するために、ラブコメ・ロマコメよりもこうした暗い役を選んだ方が良いかも知れません。評判の高かった「グッドガール」に続いて、不倫を見つけられてゆすられる役でした(「グッドガール」の不倫相手役・ジェイク・ギレンズホール主演の「ジャーヘッド」については明日にも紹介します)。噂のワインシュタイン兄弟の会社からの配給です。

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続きに作品情報

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2005年11月10日 (木)

「ミュンヘン」Munich

munich10月末まで撮影を続けていたスティーブン・スピルバーグ監督最新作。公開日までに本当に間に合うのかどうか心配ですが、最近のスピルバーグはデジタルカメラ&デジタル編集を多用していて、撮影を続けながら現場でばんばん編集しているらしいので期待しましょう。公開日がクリスマスでスピルバーグといえば、それだけで来年のアカデミー賞候補に上げる人も多いのですが、これはアクション巨編なのか、重厚な人間ドラマなのか?その違いによって大分変わってくるかと思われます。

1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたアラブ・テロリスト“黒い九月”のイスラエル選手の殺害事件。その主犯テロリストたちを執念で追いかけるイスラエル諜報機関モサドの戦いを描くという、無茶苦茶政治的議論を引き起こしそうな映画。当初のタイトルも“ベンジェンス(復讐)”だったのですが、最終的に「ミュンヘン」Munichに落ち着きました。HBO(ケーブルTV)製作の「Angels in America」で、高い評価を受けたトニー・クシュナー脚本、「トロイ」「ハルク」のエリック・バナ主演、新ジェームス・ボンド・ダニエル・クレイグ&ジェフリー・ラッシュ共演と重厚そうですが、それは逆に危ない感じをかもし出しています。

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2005年10月22日 (土)

ハロウィン・シーズン到来:「LOTD」と「ソウ2」SAW II

saw2_1先週末の全米興行成績の第一位に「ザ・フォッグ」が躍り出た事でお判りのように、アメリカはただ今月末のハロウィンに向けて、怪奇・ホラー・キング(スティーブン、「シャイニング」記事こちら)映画祭りの真っ盛り。元々は日本のお盆と同じで、秋の収穫を祝い、ご先祖様や亡くなった人を偲ぶものだったのが、今はお化けかぼちゃとコスプレ大会です。

この時期になると続々と怖い映画が公開されますが、今年の目玉は、低予算ながら斬新なアイデアと恐怖で予想外のヒットとなった「ソウ」の続編「ソウ2」。実は私は見ていません。血を見るのが怖いというより、切れる、千切れる、切断面が苦手なんです・・・なんだか、そんなシーン全開みたいな空気あり。続編もそんな予感で一杯。さてどうしようかの思案中(見るならばその前に「1」をDVDで見るつもりですが、気が進まないなあ)。

で、この続編のポスター、劇場で見かけたな~と思っていたら「あまりに残酷」という事で新しく作られたものに変更(って、断裂面がないだけであまり変わりはありませんが)。どちらも下の“続き”に入れておきますので、気の弱い方はクリックしないで下さい。

で、「ソウ1・2」よりももっとぐちゃぐちゃなのに(多分)、こちらは平気で見てしまうのが、この夏公開で、ハロウィーンにあわせDVDが発売になった「ランド・オブ・ザ・デッド」。過去に3回も紹介しましたが、“ゾンビ学創設者”ジョージ・A・ロメロの待望のゾンビ映画第四作です。

今やDVDのビジネスは劇場公開を凌ぐビッグビジネス。映画館での公開が話題づくりの予告になりつつある昨今ですが、確かにこの作品は、ハロウィーン時期公開予定をわざわざ初夏・激戦区に持ってきて惨敗。でもきっとこうしてハロウィン時期にDVDを発売して稼ぐ戦略だったのでしょう。実際に売れ行きは良いとの事。

で、この作品はいきなり「レイティング無し・無修正・ディレクターズ カット」版*。元もとの劇場公開版と4分違い程度らしいのですが、劇場では使えなかった残酷シーンが、差し替えてあって満載らしいです(続きにこちらも残虐ポスターとDVD特典入れてあります)。メイキングも楽しそうですが、何よりロメロ自身の解説つきで見ると、楽しさ一杯。是非大いに売れて続編を作って欲しいものです。

*この「ディレクターズ カット」版、DVDの発売に合わせ10月19日に1回だけ、全米各所で劇場上映したにもかかわらず、肝心の地元ピッツバーグではその公開劇場無し。でもこの時期のピッツバーグには、ロメロ演出のお化け屋敷やサビーニ演出のイベントあるんで、そちらで我慢します。

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2005年10月17日 (月)

「フライトプラン」FLIGHTPLAN【その2】

flightplan2ベルリンからニューヨークへ向かうフライトの中で6歳の娘が行方不明。周りの人たちに聞いても誰一人娘の姿を見た人はなく、そして搭乗したという記録も残っていない。誰も味方のいない地上1万メートルの上空で母・ジョディ・フォスターのたった一人の戦いが始まるというスリラー・「フライトプラン」。

とにかくオープニングからホラー映画並みのピーンとした緊迫感。前作の「パニックルーム」と同じく、娘の命を守るために戦う母・ジョディ・フォスターの熱演が更に緊迫感を煽りまくります。惜しむらくは後半、悪の正体が明らかになってくると、そのスケールの小ささと同時に、映画のスケールも縮小する事。ジョディ・フォスターが“強い母”過ぎて、悪役はどう見ても適わなそうだし(笑)。ここにもう一人くらいお金を使った良い悪役を投入すれば良かったのに(その意味では同じフライト中の恐怖でもレッドアイ/Red Eyeのキリアンマーフィーの方が狂気じみていて上)と、突っ込みたくもなりますが、ここはジョディ・フォスターの熱演を楽しみましょう。

★ジョディー・フォスターDVD

過去記事:高度1万メートルの恐怖:「フライトプラン」と「レッドアイ」 (2005年8月11日)-ポスターあります。

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2005年9月24日 (土)

その後の指輪物語・ヴィゴ・モーンテンセン

その後の指輪物語・イライジャ・ウッド」からの続きです。

historyofそして王となったヴィゴ・モーンテンセンが、デビットクローネンバーグ監督の作品で主役を務めるのが、「暴力の歴史(原題)」。小さな町でダイナーを営む平凡な男が、強盗を撃退したがゆえにメディアの注目を浴び、恐ろしい男達に付きまとわれ始める・・・というこちらも シリアスなドラマ。王様からうって変わった平凡な男。しかし何か特別なものを秘めた男という役柄を演じて前評判も高く、早くもアカデミー賞レースにからむのでは、と注目されています。 ヴィゴ以外にもエド・ハリス(この人にまとわり着かれたくないなあ)、ウィリアム・ハート等実力派が共演。

12月には監督だったピ-タージャクソンの新作「キング・コング」も公開されますが、さてさて「ロード」後の一番出世は誰になるか?楽しみな展開です。

「暴力の歴史(原題)」A History of Violence
分野: ドラマ、スリラー
米国公開日: 2005年9月23日(NY/LA等限定公開・その後拡大へ)
米国版公式サイト: http://www.historyofviolence.com/
米国配給会社: New Line Cinema
日本公開日: 未定
主演: Viggo Mortensen, Maria Bello, Ed Harris, William Hurt, Ashton Holmes
監督: David Cronenberg
製作: Kent Alterman, David Cronenberg, Cale Boyter

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その後の指輪物語・イライジャ・ウッド

三部作形式としては「スターウォーズ」にも匹敵する歴史的成功作となった「ロード・オブ・ザ・リング(ス)」シリーズ。30年たてば、当時最も有望に見えたマーク・ハミルではなく、ハリソンフォードがその後最も成功した訳ですが、「ロード」メンバーもその後どんな、キャリアを積み重ねていくのか楽しみ。この秋から年末には出演者達の新作が公開されるのでご紹介。題して「その後の指輪物語」。

greenstreethooligans昨年の「トロイ」、今年の「キングダム・オブ・ヘブン」、そして10月14日公開の「エリザベスタウン」、来年の「パイレーツ・オブ・ザ・カリビアン2」と大作、話題作で目立ちまくっているレゴラス・オーランド・ブルームの活躍が目立ちますが、主役のフロド・イライジャ・ウッドは、アート系の作品でじっくりキャリア構築を図る模様(元々子役出身で芸暦は長いのですが)。4月の「シン・シティ」での邪悪な役柄(ファンが見たら泣きそう?)に続き、9月9日からNY/LA/Chicagoで限定公開の新作が、イギリスに渡ったアメリカ人青年が遭遇するフーリガンの世界を描く「グリーン・ストリート・フーリガンズ(原題)」Green Street Hooligans 。かなりシリアスで暴力に満ちた暗いドラマの模様。


everything2そして同じく9月16日にNYとLAで公開されたのが、祖父を助けた女性を探しにウクライナまで出かける青年に扮する「エブリシング・イズ・イルミネイテッド(原題)」Everything is Illuminated 。こちらはコメディ色の強いドラマらしく、同じイライジャの顔を使いながらポスターの雰囲気が全く違います。どちらもアート系の匂いのする映画なので、日本公開は厳しいかも。アート系の劇場公開期待。いずれにしても旅に出なくてはいけないのは、やはり宿命なのでしょうか?

その後の指輪物語II・ヴィゴ・モーンテンセン」に続く。

続きに2作品の情報あり。

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2005年8月12日 (金)

高度1万メートルの恐怖:「フライトプラン」と「レッドアイ」

redeye1アメリカの生活に切り離せないのが飛行機による移動。会社にいる時間より、飛行機の中と空港での待ち時間で暮らしている方が多く感じる生活をしている人が沢山います(私もその一人。昨日もニュージャージーで飛行機の搭乗してから出発まで1時間以上。とほほ)

ということで昨年の「ターミナル」のような空港で暮らす人の映画もあり、「大空港」シリーズのような飛行機と空港を舞台にしたパニック物映画あり(「ダイハード2」もその一種)、今までも数多くの作品がありますが、この夏~初秋に飛行機の上を舞台にしたスリラーが二本公開。

西海岸から東海岸へ向かう夜行便。5時間のフライト時間に3時間の時差を加えて、効率的に移動できますが、これをやると目が真っ赤&身体がたがた。この夜行便を称してレッドアイと呼ぶのですが、米国で8月19日に公開のタイトルもずばりの映画「レッドアイ」は、西海岸からマイアミに向かうレッドアイの中で隣に座った人が殺人者だったら?そしてそれが単なる偶然ではなく巧妙な罠だったら、というサスペンス・スリラー。主演はただ今ヒット中の「ウェディング・クラッシャー」のヒロイン・レイチェル・マクアダムスと「バットマン・ビギンズ」の狂気の悪役キリアン・マーフィという生きの良い組み合わせ。「エルム街の悪夢」等のホラーの巨匠、ウェス・クレイブンが始めてホラー以外の分野に挑むこの作品は8月19日公開。

flightplan1ベルリンからニューヨークへ向かうフライトの中で6歳の娘が行方不明。周りの人たちに聞いても誰一人娘の姿を見た人はなく、そして搭乗したという記録も残っていない。誰も味方のいない地上1万キロの上空で母・ジョディ・フォスターのたった一人の戦いが始まる、というのが9月23日公開の「フライトプラン」。すごく面白そうですが、なんだか彼女の前作「パニックルーム」に似ているような気もします。その前にショーン・ビーンが機長のフライトには絶対に乗りたくはないけれど(笑)。

続きに作品情報

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